気になるアイテムを徹底分析

<気になるアイテムを徹底分析>店舗スタッフに聞く売れ筋商品――スマートフォン(まとめ)

2015/05/14 16:51

週刊BCN 2015年05月11日vol.1578掲載

 「格安スマホ」「格安SIM」というコンセプトのもと、コンシューマユーザーのなかでスマートフォンを低料金で利用する人たちが多くなっている。また、今年5月からのSIMロック解除義務化に伴って、大手キャリア向けに提供されている端末に音声通話機能付きSIMでスマートフォンを利用する傾向も高まっていきそうだ。

 調査会社のMMD研究所が15歳以上の男女(N=6219)を対象に、メインで利用している携帯電話端末のキャリアについて聞いたところ、「NTT docomo」が39.4%、「au」が32.7%、「SoftBank」が23.0%となり、「MVNO」の利用が1.9%だったという。また、SIMロック解除という言葉を知っているかどうかについて質問をしたところ、「知っており、内容を理解している」が37.5%、「知っているが、内容は理解していない」が35.8%で、合わせて認知度が73.3%だった。このような結果から、今後はMVNOの利用が増える可能性がありそうだ。


 そんななか、ヨドバシカメラではワイヤレスゲートとともに音声通話機能付きSIM「Wi-Fi+LTE 音声通話プラン」の提供を4月28日に開始した。日野文彦・常務取締役販売本部長によれば、「お客様のSIMフリーのニーズは高まっており、ビジネス層からファミリー層まで広がっている。これまで当社では、複数のキャリアを比較したプラン提案や複数のキャリアを開通できるサービス提供ができず、アフターサービスが不十分だった。今年はおそらくSIMフリー元年といっても過言ではない。SIMフリーに関連したさまざまなサービスが出てくるだろう」と捉えており、サービスにいち早く対応できる体制を整える。MVNOを含むSIMカードの即日開通カウンターを、東京・秋葉原にあるヨドバシカメラ マルチメディアAkibaを皮切りに順次開設し、1~2か月に1店舗のペースで年内に10店舗まで増やす計画だ。

 ビックカメラによるSIMサービス「BIC SIM」の提供、ドスパラによる中古端末とSIMカードを組み合わせた販売、パソコン工房を運営するユニットコムによるASUSTeK Computerの「ZenFone」を中心とした「格安スマホ」のビジネス、そしてヨドバシカメラが音声通話機能付きSIMの提供開始などという状況を踏まえると、家電量販店やパソコン専門店にとって、スマートフォン関連ビジネスが次のステージに入ったといえる。ほかにも、多くの家電量販店やパソコン専門店が「格安スマホ」「格安SIM」を提供している。もちろん、大手キャリアのスマートフォンの取り扱いを継続する店舗のほうが多く、当面は大手キャリアの契約者数が極端に減ることはないだろう。しかし、SIMロック解除の義務化が市場に与える影響は大きい。スマートフォン市場は群雄割拠の時代に入ることになる。

「Wi-Fi+LTE 音声通話プラン」の提供開始に伴ってSIMフリーコーナーを設置したヨドバシカメラ マルチメディアAkiba
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