気になるアイテムを徹底分析

<気になるアイテムを徹底分析>店舗スタッフに聞く売れ筋商品――ウェアラブル端末(4)

2015/06/11 16:51

週刊BCN 2015年06月08日vol.1582掲載

 新しいデジタル機器に関心が高いアーリーアダプタが購入するケースが多く、普及しているとは決していえないウェアラブル端末だが、会社員や学生、高齢者、幼児や小学生の子どもを連れたファミリーなど、幅広い層が訪れる街では、堅調に購入者を増やしているようだ。

(写真左から)ヨドバシカメラ新宿西口本店 渡邉裕幸 グループリーダー、守雄市 氏、亀山公一 氏

ウェアラブル端末のお客様は価格ではなくデザインや機能を重視して購入される。

 東京・新宿駅前のヨドバシカメラ新宿西口本店。この店舗では、アップル製の時計型スマートデバイス「Apple Watch」、サムスン製の「Gear」、健康管理をメイン機能とするエプソンやソニーなどが提供しているウェアラブル端末で、専用コーナーを設けて販売している。どのデバイスも、それぞれファン層を確保しており、販売は右肩上がりという。

 Apple Watchは、マルチメディア館の1階にあるiPhoneやMacなどをアップルの専任スタッフが提案するAppleショップで展示。ヨドバシカメラ新宿西口本店の渡邉裕幸グループリーダーは、「ファッションに関心が高くて、iPhoneやiPadをお持ちの方が購入されている」とアピールする。男女を問わず、幅広い顧客層が購入していて、「今までスマートフォンやタブレット端末だけでは不便だったことを補うように利用しておられる」。とくに、女性はスマートフォンをカバンに入れているケースが多く、利便性がクチコミで伝わって購入につながっているようだ。人気のモデルはレザーバンドタイプ。加えて、「海外からの旅行客は、スポーツバンドモデルの購入が多い」とのことだ。

 Gearを販売している場所は、携帯・スマートフォン売場に設けている「Galaxy Shop」。ポータブル商品や携帯電話の販売を担当する守雄市氏は、「(スマートフォンの)『Galaxy』を利用しておられる男性の会社員の方が多い」という。購入者のほとんどに、「さらにGalaxyが便利になったと評価していただいている」。身につけたまま通話やメールができるので、仕事の効率化につながっているようだ。

 健康管理を実現するウェアラブル端末は、マルチメディア館の2階に専用コーナーを設置。「さまざまなスマートフォンアプリを利用しておられるお客様に、その延長でウェアラブル端末を購入していただいている」と、ウェアラブル端末の接客に長けた亀山公一氏は説明する。人気は、エプソン製「PS-500B」など心拍継続測定機能を搭載したモデル。30~40歳代の男性が購入しているという。

 「お客様は価格にこだわらず、機能やデザインを重視しておられる」というのが共通意見だ。家電量販店にとっては、ウェアラブル端末は利益率の高いアイテムであることを意味している。

ヨドバシカメラ新宿西口店では、「Apple Watch」(写真右上)「Gear」(写真左上)「ウェアラブル端末」で、それぞれ専用コーナーを設置
  • 1