これからの時代（Era) をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「ハイウェイ・久保文誉Co-founder CEO」を取材しました。

アナログな営業手法を打破したい

　新卒で入社した会社で、ICT製品の法人営業として中四国エリアを担当した。車で各地を回り、飛び込み営業が当たり前の日々。「ドブ板というか、本当にアナログで非効率だと感じていた」と振り返る。次の会社では、ベンダーとして自社の製品を代理店に販売してもらう立場に。販売パートナーと連携する難しさも体感した。

　国内のIT業界は、パートナービジネス網が発達しており、製品ベンダーと代理店の連携は欠かせないが、実態は顧客データの共有などの連携が不十分なことを実感した。製品を必要とするクライアントに回り道をせずにアプローチできたら、営業に対する負の感情を払拭し、毎日、前向きに仕事ができるようになるのではないか。そんな思いを抱いたことが、起業につながった。

あの頃の自分に問いかける

　パートナービジネスの営業を効率化したいという理念のもと、企業間の営業支援ツールをプロダクトとして生み出した。グローバルで導入が進んでいたシステムを参考に、日本の商慣習などに合うかたちで設計。「自分はプロダクトの人間」という思いが強い。プロダクトづくりに没頭し、自分とチームでつくり上げたという実感を求めてまい進している。

　ソリューションをつくり上げるとき、最も大切にしているは「誰のどんな課題をどう解決するかという、最も基本的な問いに真正面から向き合う」ことだ。代理店営業で地方を駆け回っていた昔の自分の課題が解決できるのか。あの頃の自分に問いかける気持ちを、初心として胸に刻んでいる。

新しいリードを創出

　提供するソリューションの一番の特徴は、ベンダーと代理店の双方が持つ顧客リストを自動で照合し、確度の高い営業先の洗い出しが可能なことだ。「企業同士がスムーズに連携することで、新しいリードを生み出せる」。ベンダー側だけ、代理店側だけでなく、双方にメリットがあるソリューションだからこそ、間接販売が多い国内のITビジネスに大きな変革を促せると展望する。「ネットワークが広がることでさらに価値が出てくる。営業の効率化を支援してきたい」と前を見据えている。