これからの時代(Era)をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「Fact Base・竹内将高代表取締役CEO」を取材しました。
売り上げは社会へのインパクト
現場の業務に深い知見を持つことが、勝ち筋につながると考えている。センサー、制御機器大手の前職での経験から「工場に関しては、勤めている人よりもよく知っている」と自負する。5000社もの工場を訪問する中で、製造業の課題に気づいた。製造業は図面を起点にして業務を進めるが、きちんと管理できていない現場が多かった。図面を管理できていないと、ほかのあらゆるプロセスに影響が出てしまう。だからこそ、図面管理を入り口として、工場のデジタル化を支援しようと志した。
会社のかじ取りをする上では、「売り上げ以外は見ていない」。売り上げが伸びていれば、それだけ世の中に受け入れられているということ。数字は、どれだけ社会にインパクトを与えられたかについての確かな裏付けとなる。
社員を幸せにする責任
会社の成長と、従業員の成長がひも付く体制をつくるよう意識している。会社が利益を上げれば、自分にもきちんと返ってくると従業員にも思ってほしいからだ。自分の会社に入ってくれたからには、「社員を幸せにしたい」。経営者としての責任を果たすため、ストックオプションを用意し、今後、会社が上場した際に従業員が恩恵を受けられるようにしている。
製造業のデジタルインフラになる
これまで、「世の中は“便利でない”ツールであふれている」と感じてきた。そうであれば、自分自身で世の中を便利にしていきたい。現在、業界特化型SaaS企業を世に送り出すことを事業とするBLUEPRINT Foundersの代表も務めている。Fact Baseのほかにも2社のグループ会社を立ち上げており、それぞれSaaSを提供している。
「製造業に対して強い思い入れがある」。今は図面管理システムだけだが、将来的には「町工場が主役の受発注プラットフォーム」を提供し、より強く課題解決に寄与したい。製造業にとってのデジタルインフラを目指し、「Fact Baseがいなくては仕事が成り立たない」と評価されるほどの会社にしたいと展望する。
プロフィール
竹内将高
1992年生まれ、横浜市出身。新卒でキーエンスに入社。2022年にBLUEPRINT Foundersの代表取締役CEOに就任。同年にArchi VillageとFact Base、23年にTransleadを創業し、各社の代表を務める。
会社紹介
「ものづくりをシームレスにする」を掲げ、“町工場”のDXを推進するための業界特化型SaaSを開発・提供。図面と関連書類をひも付けてクラウド上で一元管理できる図面管理サービス「ズメーン」を2022年11月に提供開始した。