これからの時代(Era)をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「CO-NECT・田口雄介代表取締役」を取材しました。
便利と不便のサイクル
「社会が前進する流れに、自分も加わりたい」。その思いが起業へと導いた。当初はウイスキーの愛好者が集うコミュニティーアプリを提供していたものの、企業が抱える受発注業務の課題を知り、より社会に貢献できると決意して、事業の軸足を現在のサービスへと移した。
テクノロジーによって世の中はどんどんと便利になる。ただ、便利が普通になれば、新しい不便が生まれ、また解消するものが生まれる。この一連のサイクルは、ほかの誰かが回してくれるかもしれない。ただ「われわれが回すことで、進化のスピードが速くなる」
判断基準を明示する
物事を秘密主義のように隠して進めるのは「気持ち悪い」。会社のかじ取りにおいて重視するのも「判断基準を明示する」ことだ。どういう考えで決断を下したのか、そこをはっきりしなければ「従業員も迷うし、自分もそのときの判断が良かったのかどうかわからなくなる」
事業のスピードが重視される時代だ。決定の背景をしっかりと説明しておけば、社内の認識を統一でき、従業員はより動きやすくなる。結果的にビジネスを加速させることにもつながる。
歴史はアップデートの積み重ね
幼いころから「歴史全般が好き」だった。「歴史はアップデートの積み重ね」で続いていくものであり、そのダイナミズムに心が躍った。自分もその進化する歴史に貢献したい。そのためには、アップデートの前提となる「新しいスタンダード」をつくることが必要だ。誰もが当たり前に使う基準をつくり、それを改善し続けることで、ひと連なりの軌跡が生まれる。
受発注領域におけるDXを全力で進めるために「良いものを提供していきたい」と意気込む。業種を問わず「当たり前に使ってくれるサービスにしたい」。自分たちの歴史はまだ始まったばかりだ。
プロフィール
田口雄介
1983年、神奈川県生まれ。立教大学を卒業後、楽天に入社し、楽天市場やビッグデータ関連のエンジニア、プロデューサーに従事。リクルートで複数サービスのウェブディレクター、新規事業のUXディレクターを経験。2015年にハイドアウトクラブを共同創業し、20年に社名をCO-NECTへ変更。
会社紹介
BtoB受発注ツール「CONNECT」を2019年に正式に提供開始。20年の社名変更に伴い、製品名を「CO-NECT」に変更した。