これからの時代(Era)をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「amoibe・新條隼人代表取締役CEO」を取材しました。
自分自身が変わる
創業当初に取り組んだ事業は、メディアコンテンツマーケティング。少数の人が熱狂的に使うサービスにはなったが、社会に大きなインパクトは与えられなかった。目指す成果が出せない中で「自分自身が変わらないといけない」と思い至った。
2022年ごろから話題になったリスキリングに関して市場を調査。自分と重ね合わせ、人が変わっていくことの価値に関心を持った。エンジニアの人材不足という業界共通の課題に向き合うことを決め、エンジニア育成事業にかじを切った。
高度IT人材を育てる
エンジニア育成で一番の壁になっていると感じたのは「案件ガチャ」だ。最初にどんな仕事にアサインされるかでその後のスキルが左右されてしまう。また指導する先輩によって教える内容にブレがあり、5年経験しても開発ができないというような現場のジレンマを解消したかった。
ITの現場では、コーディングなどをAIで自動化する流れが進んでおり、「本当に必要とされているのは高度IT人材」と市場環境も大きく変化している。最短で即戦力のエンジニアを育てるために、仮想環境で案件をつくり、AIのメンターが指導するサービスを構築。未経験や微経験の人材を抱える派遣会社やSES企業が多く導入している。
人生を変えるような価値
事業を通じて「多くの人にとって、人生を変えるような価値を提供したい」。変わりたいと願う前向きな人を支援している。経営者としては、「良い問いを立てる」ことを重視する。なぜそれをするのかという問いが立てば、それを自分自身や会社のメンバーに投げかけることで、解決するスピードや精度を上げることができると感じている。
仕事の定義が変わるような大きなゲームチェンジの中にいると、現状を捉える。自分自身も会社も、大きくかたちを変えながら変化に適応することで、社会により大きな価値をもたらすために邁進する。
プロフィール
新條隼人
1989年生まれ、東京都出身。一橋大学商学部卒業。2012年、ネットプロテクションズに入社。法人営業や新卒採用、新卒の研修を担当。14年、ドットライフ(現amoibe)を創業。
会社紹介
仮想環境上のOJTでエンジニアの現場戦力化を実現するエンジニアイネーブルメントサービス「amoibe OJT」を提供。開発・インフラ・プロジェクト管理のそれぞれのコースなどを展開している。