Linuxがビジネス現場で次第にシェアを伸ばしている。調査会社のIDCによると、2003年には商用LinuxのサーバーシェアがUNIXを追い抜くと試算している。5月29日から31日までの3日間、東京ビッグサイトで開催された「Linux World Expo/Tokyo2002」。展示会場の中心部には、日本IBM、富士通といった大手ベンダーのブースが軒を並べ、ビジネスソリューションを展示。来場者も背広にネクタイ姿のサラリーマンが多かった。初期のLinuxブームの原動力となったユーザーグループのブースは会場の隅に。Tシャツを着た人がブースを守っていたかつての光景と、大手ベンダーの展示ブースが中心を占める今の光景を比べると、Linuxがビジネス分野で確実な地位を得てきたことを象徴している。
United Linuxは今年7-9月中にαバージョンを出し、今年末に最初の製品をリリースする予定。製品が出ていない以上、未知の部分もあるものの、米IBMのLinux営業部門担当のダン・パワーズ副社長によれば、「IBMはレッドハットと共にUnited Linuxも採用する」と表明している。デファクト化を目指すいくつかの勢力ができつつある。その背景には、同じLinuxといいながら複数パッケージが存在することで、動作検証がしにくく、アプリケーションやツールの開発が進まないという問題点がある。だが、その一方で、1社のディストリビュータの製品がデファクトスタンダード化していくことに対する懸念も、Linuxビジネスに携わる人にあったように思う。オープンソースという特性ゆえ、マイクロソフトのウィンドウズのような状況にはなりにくいが、1社独り勝ちに対する懸念は拭えなかったのではないか。