中国情報産業省傘下の中国電子情報産業開発研究院に所属するCCIDコンサルティング社は、四半期ごとに中国国内の情報・通信調査レポートを発表している。今回は2002年第1四半期のデジタルカメラ・PDA(パーソナル・デジタル・アシスタンツ)の市場データを紹介する。
2002年第1四半期、デジタルカメラの販売台数は5.6万台に達し、前年同期に比べ33.3%成長した。販売金額は2.42億元で、15.2%増加した。デジタルカメラの巨大な潜在市場を狙っている国内外のメーカーは急ピッチで工場を建設している。

デジタルカメラ市場の販売台数・販売金額 画素数別でみると、低画素数の普及品と高画素数の高級品のシェアが上昇しているのに対して、中級品のシェアは下降傾向にある。今後は高級品と普及品の二極に分化し、両者のシェアが次第に高くなると予想される。


デジタルカメラ市場画素数別販売台数シェア推移 個人向け40%に対し、業務向けが60%近くを占める。業務向けでもマスコミや政府、サービス業が大口ユーザーになっている。

デジタルカメラ市場購入者の分布 製品は中国国内での現地生産がまだわずかなため、ほとんどの製品が輸入品である。日本からの輸入が圧倒的に多い。

デジタルカメラ市場企業別販売台数 2002年第1四半期、PDAの販売台数は2001年同期に比べ小幅な下落となった。販売台数低下の原因は第1四半期中に中級機、普及機の価格帯において、有力な新製品が投入されなかったためと思われる。

PDA市場の販売台数・販売金額 電子辞書は71.8万台で前年同期よりやや減少した。電子手帳(住所録や忘備録、各種情報を記憶できる機種)市場は、2001年同期と比べて下降気味ではあるが、直近の四半期よりは良くなっている。ショートメッセージ機能をもつポケベル(簡易型)は不振であるが、携帯電話PDAは好調で、2002年第1四半期の市場規模は1.1万台に達した。高性能PDAの販売台数は01年同期に比べ30.8%の伸びを見せ、3.4万台に達した。業務向け製品の好調さが市場全体を支えている。

PDA市場タイプ別販売台数
PDA市場タイプ別販売金額 電子辞書の市場規模は小さい。ユーザーは個人のほか、教育機関に限られている。電子手帳のユーザーは90%が個人であり、業務向けは10%に過ぎない。ポケベル(簡易型)および携帯電話PDAは個人向けと業務向けが拮抗し業務向けでは証券・税関などに集中している。高機能PDAは60%が業務用である。高機能PDAは第1四半期保険・新聞業界から大きな受注を獲得している。とくに保険業界での購買意欲が旺盛である。

PDA市場購入者の構成出典:CCIDコンサルティング(*1)
編集:シノモニター(*2)
(*1)CCIDコンサルティングは、中国情報産業省傘下の中国電子情報産業開発研究院(CCIDグループ)に所属する情報・通信分野における情報提供、コンサルティング企業。
(*2)シノモニターは、中国統計局から分離・独立した中国消費財分野、メディア分野における市場調査、コンサルティング企業。