その他
HPとNECの提携 アウトソーシングで覇権狙う
2002/12/23 21:12
週刊BCN 2002年12月23日vol.971掲載
米ヒューレット・パッカード(HP)とNECがアウトソーシング事業で提携した。今後急成長するといわれるアウトソーシング分野で確固たる地位を築き上げることが狙いだ。HPのカーリー・フィオリーナ会長兼CEOは、「パートナーシップを組むのは、ビジネス拡大に加え、効率的に展開するための戦略の1つ。最も重要なのは、顧客を取り巻く環境に柔軟に対応していくこと」と語る。
さらに「1990年代に勝利した者が21世紀の勝利者になるとは限らない。HPとNECのノウハウを合わせて、アウトソーシング分野におけるリーダーシップを発揮していく」と強調する。NECの西垣浩司社長も、「ビジネスモデルをダイナミックかつさまざまな形に変えていき、共有できるノウハウは共有していくことがビジネス拡大の要因だ」と話す。また、「フルスコープ型のアウトソーシングは未経験だが、HPのビジネスモデルを勉強させてもらう」と、両社が二人三脚で取り組んでいくという姿勢を示す。
両社は、95年からUNIXサーバーをはじめとするプロダクトでの協業を行い、今年5月からはオープンミッションクリティカル分野におけるシステムインテグレーション(SI)事業で協業してきた。今回の提携では、こうした提携関係をサービス事業まで幅を広げる。具体的にはHPの世界各国に展開するアウトソーシングリソースと、NECの「オープンミッションクリティカルシステム」の構築・運用ノウハウを融合し、グローバル企業や大規模システムをもつ企業をターゲットにアウトソーシングサービスを提供していく。
当面のターゲット地域は、日本や米国に加えて、今後大きく拡大が見込める中国市場を視野に入れる。将来的には、東南アジアや欧州へも順次拡大していく計画だ。HPは、すでに世界160か国でアウトソーシング事業を展開し、100拠点以上のオペレーションセンターや6万5000人を超える要員などといったサポート体制を敷いている。一方、NECは、国内の2500ユーザーにアウトソーシングサービスを提供。「現在は、1000億円規模の売上高だが、近いうちに2000億円規模まで引き上げる」(NEC・西垣社長)と意気込む。アウトソーシング分野では、「e-ビジネス・オンデマンド」を提唱するIBMなどをはじめ、競合他社がビジネス拡大に向け、着々と準備を進めている。
今後は、アウトソーシング分野で各社が激しいシェア争いを繰り広げることになるといえよう。HPとNECでは、来年1月に共同マーケティングチームを組織化し、今後1年以内に共同出資会社の設立を計画する。共同出資会社は、両社のSEとシステム運用要員、さらに受託先企業から受け入れるシステム運用要員がシステムの運用を行い、ほかの企業への事業展開を視野に入れる。もっとも、出資規模や人員体制などは、具体化しておらず、受託先企業の決定時に詰める予定だ。両社がシェア拡大を図るには、お互いのノウハウを最大限に生かしたアウトソーシングサービスの提供に加え、早急に共同出資会社を設立できるかどうかもカギといえそうだ。
米ヒューレット・パッカード(HP)とNECがアウトソーシング事業で提携した。今後急成長するといわれるアウトソーシング分野で確固たる地位を築き上げることが狙いだ。HPのカーリー・フィオリーナ会長兼CEOは、「パートナーシップを組むのは、ビジネス拡大に加え、効率的に展開するための戦略の1つ。最も重要なのは、顧客を取り巻く環境に柔軟に対応していくこと」と語る。
続きは「週刊BCN+会員」のみ
ご覧になれます。
(登録無料:所要時間1分程度)
新規会員登録はこちら(登録無料)
ログイン
週刊BCNについて詳しく見る
- 注目のキーパーソンへのインタビューや市場を深掘りした解説・特集など毎週更新される会員限定記事が読み放題!
- メールマガジンを毎日配信(土日祝をのぞく)
- イベント・セミナー情報の告知が可能(登録および更新)
SIerをはじめ、ITベンダーが読者の多くを占める「週刊BCN+」が集客をサポートします。
- 企業向けIT製品の導入事例情報の詳細PDFデータを何件でもダウンロードし放題!…etc…