その他
セキュリティサービスに人気 システムインテグレータの新たな収益源に
2003/02/10 15:00
週刊BCN 2003年02月10日vol.977掲載
1月下旬に韓国で大発生した「Slammerワーム」など、セキュリティを脅かす深刻な被害が後を絶たないが、実態を見ると意外なことに、すでに対処方法が発見されているにも関わらず被害が起こっているケースが多い。これはセキュリティホール(安全上の欠陥)を埋める修正ソフトを導入していないなど、対処不十分であることが原因。だが、あまりに修正ソフトが頻繁に出るため、システム管理者側で全てに対応するのが難しいのも事実だ。そうしたなか、システムインテグレータによるセキュリティサービスが人気を集めている。大塚商会では、セキュリティ関連事業が2002年度(02年12月期)実績で倍増したが、その要因の1つがサービス化を進めたことにある。ソフトバンクBBなども新規参入する見通し。セキュリティサービスは新たなビジネスチャンスをもたらしそうだ。
以前からセキュリティ分野の専門家は、「被害を受けないためには、一度セキュリティ製品を導入しただけでは不十分。常に状態を監視し、状況の変化に応じて、最新技術に応じた対処を施していくことが望ましい」としていた。しかし、被害状況を見ると、ユーザー側は必ずしも最新のセキュリティ対策をしていないことが分かる。
Slammerワームも、すでに02年7月時点でマイクロソフトから修正ソフトが提供されていたにも関わらず、被害が起こってしまった。トレンドマイクロがこのほど発表した02年のウイルス被害ランキングを見ても、上位10種のうち6種が02年より前に発見されたウイルスで占める。
亜種が登場し、新しい被害を引き起こしたことを考慮したとしても、セキュリティホールを修正するソフトを導入していないために、被害に遭うケースも少なくないことは明らかだ。
原因は修正プログラムの数の多さ。マイクロソフトを例にとると、02年には計72個のパッチ(修正ソフト)およびサービスパックが提供されている。しかし、あるシステムインテグレータは、「即座に新しい修正ソフトを導入するためには、セキュリティ専任要員を置いて、常にマイクロソフトの情報をチェックするなどの対策をとらなければならず、中小企業などでは実現は難しい」のが実情だと指摘する。
そこで、システムインテグレータの中には、セキュリティをサービスとして売り込む動きが出てきた。セキュリティに関する業務を、アウトソーシングのような形式で請け負うことで、ユーザー側はセキュリティ専任要員を置かなくても、最新の対策を講じることができるようになる。
すでに同分野で成功しているのが大塚商会。02年度のセキュリティ関連の売上高は前年度の倍と絶好調で、「セキュリティのことなら大塚商会に聞けという体制を作っていく」(広瀬弘文・テクニカル・ソリューション・センター部長)と強気な姿勢を見せる。
大きく躍進した原動力の1つがファイアウォールのアウトソーシング事業「Firewall Management Service」など、メンテナンスや管理を請け負うサービスビジネス。「サービスへの移行をアピールしたことで、売り上げ増につながった」(大塚商会)という。
ユーザー側では、新たなITシステム導入には躊躇する傾向があるものの、「セキュリティシステムについては、自社が被害者になる以上に加害者になってしまう可能性があるだけに、導入にためらいがない」ことも、プラス条件となっている。
こうした状況を見て、ソフトバンクBBでは、「ブロードバンドインフラを構築したことによる新事業領域」(宮内謙取締役副社長)として、セキュリティ監視サービス事業を開始する準備を進めている。
ユーザーのシステムにおいて、セキュリティ対策が十分か自動的にチェックするソフトを発売したアップデートテクノロジーでは、「この商品を切り口に、サービス事業を行っていきたいという声もあり、販売パートナーと共にサービス事業を立ち上げていきたい」(板東直樹取締役)と、事業拡大に前向きな様子を見せる。
システムインテグレータには、売り上げにプラスになるだけでなく、常にユーザーとの接点を築くことができるビジネスだけに、十分に勝算が見込める事業となりそうだ。
1月下旬に韓国で大発生した「Slammerワーム」など、セキュリティを脅かす深刻な被害が後を絶たないが、実態を見ると意外なことに、すでに対処方法が発見されているにも関わらず被害が起こっているケースが多い。これはセキュリティホール(安全上の欠陥)を埋める修正ソフトを導入していないなど、対処不十分であることが原因。だが、あまりに修正ソフトが頻繁に出るため、システム管理者側で全てに対応するのが難しいのも事実だ。そうしたなか、システムインテグレータによるセキュリティサービスが人気を集めている。大塚商会では、セキュリティ関連事業が2002年度(02年12月期)実績で倍増したが、その要因の1つがサービス化を進めたことにある。ソフトバンクBBなども新規参入する見通し。セキュリティサービスは新たなビジネスチャンスをもたらしそうだ。
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