その他
ウェブサイトで企業アピール まだまだ工夫の余地あり
2003/02/17 15:00
週刊BCN 2003年02月17日vol.978掲載
ここ数年で、企業が自社のウェブサイトを構築することが当たり前になった。ネットバブルが弾け、2、3年前のようにインターネットに過大な幻想を抱くことはなくなったものの、広告、告知といった用途では、もはや電話と同様のインフラになりつつある。(三浦優子●取材・文)
ここ数年で、企業が自社のウェブサイトを構築することが当たり前になった。ネットバブルが弾け、2、3年前のようにインターネットに過大な幻想を抱くことはなくなったものの、広告、告知といった用途では、もはや電話と同様のインフラになりつつある。だが、その活用の仕方は、まだまだ未熟な部分が目に付く。例えば、バナー広告。面白い広告だと思ってクリックしても、通常のトップページにリンクされているだけのものが少なくない。せっかくその企業に興味をもってクリックしてみても、行き着く先がその企業のトップページでは、何とも興醒めになる。
特に新製品を紹介するバナー広告が出ているのに、クリックしてその企業のトップページに行き着くだけの時など、何のための広告か、意味が分からない。せめて、その商品を紹介するページにリンクするくらいの工夫ができないものだろうか。一方、工夫を凝らしたウェブサイトを構築し、思わぬ反響を得た企業もある。組み立てパソコンで静穏化に使うパーツ「駆動静か」など、ユニークな商品名で知られるイーレッツでは、ある大手販社にバナー広告を出した。同社にとっては初めての試みだ。奥川浩彦マネージャーは考えた。
「単純な広告ではつまらない。何かインパクトがあるものができないか」考えた結果、バナーをクリックして行き着くページを、販社のトップページのパロディページにした。といっても、フリーで提供されている画像を組み合わせて作っただけ。コストをかけて新しいページを作成したわけではない。それでもこの試みは受けて、多くのページビューを記録した。もちろん、ページビューが増えたからといって、すぐに売り上げが増加するわけではない。ページビューが増えればサーバーの増設などが必要になるため、無理にアクセス数を増やすべきではない、という考え方もある。
イーレッツ自身も、「知名度の割に売り上げはまだまだ」と、奥川マネージャーも苦笑いする。だが、やはり知名度の高さが商談につながることも少なくない。「セールスに行った際に、蕫知っていますよ﨟とか、蕫ファンです﨟と言われることが多く、話が進みやすい」という。
e-ビジネスを提唱したIBMは、ウェブサイトの効果について、科学的に分析し、活用することを勧めている。例えば、ECサイトの表示スピードがどれだけ売り上げに影響を与えるかなど、理論にもとづいたウェブサイト構築理論がきっちりできている。 確かにそこまで理論立ててウェブサイトを構築していけば、効果は高いかもしれない。だが、「コストを考えれば、そこまで思い切ったことはできない」という企業が多いだろう。
しかし、イーレッツ同様、ひと工夫することでサイトへの印象、ひいては企業および製品への印象は大分違ってくる。業務ソフトメーカーのピー・シー・エー(PCA)では、昨年春からサイトの更新を頻繁に行い、好評を得ている。コンテンツの中には、同社の川島正夫会長が日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会の会長として展示会などでテープカットを行っている姿もある。PCAの例を見ると、工夫次第でコンテンツは社内にたくさんあることが分かる。無理にコストをかけなくても、ウェブサイトを効果的に活用する方法は、まだまだありそうだ。
ここ数年で、企業が自社のウェブサイトを構築することが当たり前になった。ネットバブルが弾け、2、3年前のようにインターネットに過大な幻想を抱くことはなくなったものの、広告、告知といった用途では、もはや電話と同様のインフラになりつつある。(三浦優子●取材・文)
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