その他
マイクロソフト どうなる?新体制 米本社の直結色濃く
2003/07/14 21:12
週刊BCN 2003年07月14日vol.998掲載
7月1日、マイケル・ローディング新社長が就任し、新年度を迎えたマイクロソフト。同時に米国本社でMSN事業の日本地域およびインターコンチネンタル地域担当ジェネラルマネージャーだったアダム・テイラー氏がマーケティング担当取締役に就任し、米本社の意向が強く反映される体制となった。阿多親市前社長の突然の退任により、米本社主導になるのではとの観測が飛び交うなか、早くもその傾向が出てきている。新制マイクロソフトでは、米本社の意向と日本市場のニーズをどれだけすり合わせできるかが、焦点となりそうだ。
ローディング新社長は、社長就任前の6月25日、ウィンドウズサーバー2003の発売記者会見に登場した。しかし、「新社長としての方針については、正式就任後に改めて発表の場を設ける」とコメント。日本法人が目指す新しい方向については一切答えなかった。その後、7月に入っても正式な方針発表は行われていない。そのため、いまだ新制マイクロソフトが目指す方向は見えてこない。
そんななか、6月30日にマーケティング担当取締役としてテイラー氏が就任する役員人事を発表するなど、新しい動きがすでに出てきている。例えば、事業ユニット。米本社の7つのユニットと同じにするなど、本社と連動しやすい体制作りが進められているという。
役員の担当分野では、鈴木和典取締役がストラテジック・カスタマー/パートナー担当兼エンタープライズサービス担当、眞柄泰利取締役がOEM営業本部とゼネラルビジネス統括本部、および東日本・西日本営業本部担当として、クライアントパソコンの導入台数500台以下の中小企業向けビジネスを受け持つ。また、平井康文取締役がエンタープライズビジネス担当として大企業向けビジネスを統括する。顧客およびチャネルに直結する部分は、これまで通り日本人取締役が固める。
だが、マーケティング部門をテイラー取締役が担当することで、直結する事業部の責任者についても同氏によって選任されていくことになるなど、これまでのマーケティング戦略とは異なる面が出てくる可能性は高い。
マイクロソフトのあるパートナーは、「ウィンドウズサーバー2003が発売になった直後だけに、広告などのPRを含めて、マイクロソフト自身の市場喚起を期待したいところだが、発売直後にしてはアピールが地味。むしろ、アプリケーションサーバーではライバルとなる日本アイ・ビー・エム(日本IBM)の派手な動きが目につく。マイクロソフトはぜひ奮起して欲しい」と話す。
企業向け市場が低迷する時期だけに、マイクロソフトのマーケティング力を生かした需要喚起を期待するパートナーは多い。新制マイクロソフトがどれだけこうした声に応えていくことができるのかが試されている。
マイクロソフトが米本社との連動を強めているのは、日本法人だけの傾向ではなく、ワールドワイドでの戦略とされている。日本法人だけが米国との連携を強化しているわけではないという。
それだけに、パートナーの声を生かした事業戦略が、どれだけ日本で行われていくのか。今後、同社のビジネスの大きな焦点となりそうだ。
7月1日、マイケル・ローディング新社長が就任し、新年度を迎えたマイクロソフト。同時に米国本社でMSN事業の日本地域およびインターコンチネンタル地域担当ジェネラルマネージャーだったアダム・テイラー氏がマーケティング担当取締役に就任し、米本社の意向が強く反映される体制となった。阿多親市前社長の突然の退任により、米本社主導になるのではとの観測が飛び交うなか、早くもその傾向が出てきている。新制マイクロソフトでは、米本社の意向と日本市場のニーズをどれだけすり合わせできるかが、焦点となりそうだ。
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