情報デザイン力がカギ

われわれは、あらゆる情報を次々とデータベースへ放り込んできた。しかし、これらのデジタル情報はパソコンの小さな画面で見るか、A4用紙に印刷する、あるいはせいぜい携帯情報端末(PDA)などを使い、新幹線の中で見られるなどの利便性が高まった程度に過ぎない。
こうした情報システムの在り方は、今後5年間で大きく変化する。雪だるま式に増えるデータのごく一部を、非効率な形で覗き見するのではなく、必要な情報を、必要なときに、最適な表示装置で見られるようになる。
たとえば、社長室の壁に組み込んである大型プラズマディスプレイで見る経営情報と、現場の営業担当者がPDAで見る在庫情報とは、データベースは同じでも中身や見せ方がまるで違う。
当社は、「オフィス事業」、「教育事業」、「情報事業」の3つの主要事業から成り立つ。これからは、「机の中にパソコンを組み込む」といった家具屋の単純な発想ではダメだ。
オフィス事業で社長室を設計するとき、データベースから、どの切り口で、どのような情報を選び出し、セキュリティはどうするのか――、統合的な情報のデザイン力が求められる。情報分野ではもとより、教育分野においても、同様の情報デザイン力が不可欠である。
また、情報システムはASP(アプリケーションの期間貸し)に代表されるように、“所有から利用へ”と移行する。市場の変化を先取りし、3つの事業部の変革と進化に努める。