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米ラスベガスでCES開催 過去最大の2300社以上が出展
2004/01/12 15:00
週刊BCN 2004年01月12日vol.1022掲載
米ネバダ州ラスベガス市で1月8-11日(米国時間)の4日間、情報家電やゲーム機器の一般消費者向け製品の展示会「2004 インターナショナルCES(コンシューマ・エレクトロニクス・ショー)」が開催された。過去最大規模の2300社以上の出展企業が、20分野の製品を出展した。ラスベガス・コンベンション・センターをはじめ、ラスベガス・ヒルトン、アレクシス・パーク・リゾートなどの市内の主要イベント会場を使い、ラスベガス市内はCESムード一色に染まった。報道関係者およびアナリスト向けには、一般公開に先立ち、先進的な技術や製品を表彰し、受賞を受けた製品を展示する「イノベーションズアワード」が行われた。車載機やAV(音響・映像)機器など、従来に比べ多種多様な製品が顔を揃えており、コンシューマ向け家電製品の総合的なイベントとして変貌を遂げつつある。(木村剛士●取材/文)
コンシューマ向け家電製品の“勢い”明確に
■多数の情報家電を展示、市場は毎年右肩上がりの成長
世界最大の家電見本市と呼ばれる「CES」は、当初ゲーム機器の展示を中心にスタートしたイベント。だが、最近はホームネットワーク家電製品などの情報家電も多く展示されるようになってきた。
今回も、一般家庭向けのテレビやビデオ、携帯電話、PDA(携帯情報端末)をはじめ、AV機器や車載機用情報機器、GPS(全地球測位システム)機器など、そのカバーする範囲を広げ、一般消費者向け情報家電の世界的総合イベントとして姿を変えている。
CESは毎年1月に開催され、昨年は11万人以上が訪れ、米国以外からの来場者も1万人を突破した。昨年開催時の来場者は、コンピュータ関連の展示会「COMDEX(コムデックス)」を上回るなど、ここ最近活気がないIT関連のイベントのなかで、ひときわ活気を帯びている。
CESを主催するCEA(コンシューマ・エレクトロニクス・アソシエーション)のゲーリー・シャピロ社長兼CEOは、「CESが、急速に進歩する世界のコンシューマ技術に合わせて、出席者の規模や構成も成長している。もはや革新的な技術を単に紹介する場としてだけでなく、4日間のうちに大きな取り引きをまとめる場としての役割も果たしている」と、その成長に自信をみせる。
また、CESの参加企業のジャンルが多岐にわたっている要因についてシャピロ社長兼CEOは、「企業がコンシューマ技術への投資を行うようになったことにある。ビジネス向けの技術とコンシューマ技術への投資をこれまで明確に区別していた境界線が、今では不鮮明になっていることを示している」と分析。企業をターゲットにしていたベンダーが、一般消費者市場にも進出している動きが顕著であるとみる。
CESが行った調査によると、コンシューマエレクトロニクス市場は、今後数年間右肩上がりの成長を遂げ、2007年には03年の20%増にまで売り上げが拡大すると予測している。
一般公開に先立ち、6日には報道関係者およびアナリストには、「イノベーションズアワード」が開催され、一足早く最新の技術トレンドを見ることができた。
「イノベーションズアワード」は、出展企業の中でも先進的な技術設計やエンジニアリング、製品を表彰するもので、CEAが主催し報道関係者やエンジニアなどと共同で各部門の受賞製品を選定、その受賞製品を先行してお披露目する。
■目立つ“ノンPC製品”情報・デジタル家電がITの主役に
今回受賞した企業は、オーディオボックスやギブソン・オーディオ、ロジテック、フィリップス、三洋電機、ソニー・エリクソン、ヒューレット・パッカード(HP)など多彩な顔ぶれが並んだ。
個人向けの家電製品の中で中核をなしているパソコン関連機器は、HPのパソコンやロジテックのブルートゥース搭載のキーボードやヘッドセットマイクなどが受賞、展示されていた。そのほかでは、オーディオ機器やカーナビゲーションシステムなどの“ノンPC製品”が目立った。
ロジクールの園部英生・マーケティング部コミュニケーションマネージャーは、「パソコンなしでインターネットを活用でき、情報を入手することがあらゆる機器で可能になっていく。パソコン関連機器としての位置づけ以上の製品、利用範囲を用意していく」と話す。
CESでは、今年は20分野のカテゴリーに分け2300社以上の企業が出展する過去最大規模のイベントとなり、こちらでもさまざまなジャンルの製品が並んだ。その中でも、「ワイヤレス」、「ストレージ」、「モバイルエレクトロニクス」、「ホーム・ネットワーキング/エンターテインメント」の4分野がキーワードになった。
ワイヤレスやモバイルでは、「ブルートゥースゾーン」や「タブレットPCゾーン」を設置したほか、車載機向け情報家電や自動車をそのまま展示したデジタル自動車ショールームなども設けられた。ストレージでは、熾烈な規格争いを続けるDVD-RWとDVD-RAMや、USBストレージ、SDカードといった小規模ストレージも注目を集めた。ホームネットワーキングでは、ホームシアターシステムや家庭内の情報機器のインテグレーション技術を展示した。
コンシューマ向けの製品・サービスは、今後さらに充実、多種多様化していくだろう。今回のCESで、情報家電、デジタル家電といった製品が、徐々に従来のIT市場の主役に取って代わる存在になってきたことがうかがえた。
米ネバダ州ラスベガス市で1月8-11日(米国時間)の4日間、情報家電やゲーム機器の一般消費者向け製品の展示会「2004 インターナショナルCES(コンシューマ・エレクトロニクス・ショー)」が開催された。過去最大規模の2300社以上の出展企業が、20分野の製品を出展した。ラスベガス・コンベンション・センターをはじめ、ラスベガス・ヒルトン、アレクシス・パーク・リゾートなどの市内の主要イベント会場を使い、ラスベガス市内はCESムード一色に染まった。報道関係者およびアナリスト向けには、一般公開に先立ち、先進的な技術や製品を表彰し、受賞を受けた製品を展示する「イノベーションズアワード」が行われた。車載機やAV(音響・映像)機器など、従来に比べ多種多様な製品が顔を揃えており、コンシューマ向け家電製品の総合的なイベントとして変貌を遂げつつある。(木村剛士●取材/文)
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