その他
国内HDD搭載機器の市場動向 06年まで成長路線が続く
2004/03/22 15:00
週刊BCN 2004年03月22日vol.1032掲載
HDD(ハードディスクドライブ)市場はパソコンやサーバーなどコンピュータだけでなく、それ以外の搭載機器が増えることで成長し続ける──。電子情報技術産業協会(JEITA)は、「情報端末装置に関する市場調査報告書」をこのほどまとめ、発表した。それによると、HDDの市場規模が2006年まで前年を上回る傾向が続くと予測。JEITAは、今後の拡大要因として、AV(音響・映像)機器やゲーム機、監視カメラ用記録機器、車載機器などにHDDが搭載される用途が増えることを挙げている。コンピュータ以外でのHDD搭載は、新しいマーケットニーズに応え、最終製品の需要を押し上げることにもつながっている。
パソコンやサーバー以外の用途に拡大
■03年は国内で前年比19%増
JEITAによれば、03年におけるHDDの市場規模は世界で前年比25%増の2億5327万台、国内で同19%増の2386万台と好調に伸びた。磁気記憶装置専門委員会の筧朗委員長(富士通ストレージプロダクト事業本部プロジェクト部長)は、「昨年は、世界市場と国内市場ともにパソコンやサーバーなどコンピュータ需要の回復による影響が大きい」と、前年を上回った要因については、コンピュータ向けの回復が大きかったと語る。
サイズ別では、3.5型HDDが世界市場で2億401万台(前年比22%増)の出荷であり、そのうち日本向けが1517万台(同20%増)になった。3.5型の占める割合は、世界で全体の81%とHDD需要の大半を占めている。
2.5型HDDについては、世界で4926万台(同38%増)の出荷台数、そのうち日本が869万台(同17%増)。2.5型の占める割合が世界で19%に対し、国内で36%になっている。この要因については、ノートパソコン需要比率が高いことを挙げている。
JEITAでは、今回の調査からAV機器をはじめ、ゲーム機、監視カメラ用記録機器、車載機器、プリンタやコピー機などへのHDD搭載についても新しく対象に入れた。
04年については、世界市場で2億8746万台(同13%増)、国内で2653万台(同11%増)。筧委員長は、「HDDは急速な技術革新により、『大容量化と省スペース化』、『高速化と省エネルギー化』、『ハイテク化とローコスト化』などといった相反するニーズに幅広く応え、パソコンをはじめとしたコンピュータシステムでの基本的な外部記憶装置としての位置付けは変わらない」と強調しているものの、市場拡大の大きな要因として、「今後はコンピュータ以外の機器でHDDが搭載される割合が増えていくだろう」とみている。
■HDD搭載DVDレコーダーが貢献
新たにHDDを搭載し、市場規模が一段と拡大した機器で代表的なのは、DVDレコーダーだ。
日本電気大型店協会(NEBA)の販売実績によれば、会員企業におけるDVDプレーヤーおよびDVDレコーダーの販売台数が、今年1月で前年同月比48.0%増の17万2564台となり、他の製品に比べて前年同月比で最も販売数を伸ばした。販売金額は、70億5543万5000円(前年同月比59.8%増)。販売構成比では、家電製品の販売金額全体の4%を超えている。
また、JEITAが発表した民生用電子機器国内出荷統計では、今年からHDDが搭載されたDVDレコーダーの出荷実績を発表しており、同製品が前年同月比45.9%増の8万4000台と大幅に伸びていることが明らかになった。
06年までの市場規模について、JEITAは世界市場が05年で前年比13%増の3億2543万台と3億円を超える水準まで達し、06年が同11%増の3億6125万台になると予測する。日本市場では、05年で同12%増の2960万台、06年で同7%増の3179万台としている。
HDD搭載のDVDレコーダー市場が急速に立ち上がったように、大容量のHDDを搭載することで需要を拡大するケースもある。HDD搭載が長時間録画を可能にする、という機能向上が商品力をアップさせた。
コンピュータ用の記憶装置として需要拡大が続いてきたHDDだが、デジタル家電やカーナビなど新たな用途が拡大すれば、記憶密度向上などさらなる性能アップにもつながる可能性がある。コンピュータとデジタル家電の競争が表面化しつつあるなか、液晶ディスプレイやHDDのように、どちらの用途でもキーデバイスとなる部品の需要拡大は当面、続くことは確実だ。
HDD(ハードディスクドライブ)市場はパソコンやサーバーなどコンピュータだけでなく、それ以外の搭載機器が増えることで成長し続ける──。電子情報技術産業協会(JEITA)は、「情報端末装置に関する市場調査報告書」をこのほどまとめ、発表した。それによると、HDDの市場規模が2006年まで前年を上回る傾向が続くと予測。JEITAは、今後の拡大要因として、AV(音響・映像)機器やゲーム機、監視カメラ用記録機器、車載機器などにHDDが搭載される用途が増えることを挙げている。コンピュータ以外でのHDD搭載は、新しいマーケットニーズに応え、最終製品の需要を押し上げることにもつながっている。
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