その他
DIS 物流を抜本改革
2004/05/31 21:12
週刊BCN 2004年05月31日vol.1041掲載
ダイワボウ情報システム(DIS、松本紘和社長)は、取り扱い商品の増加と配送小口化にともなう粗利率低下に対応するため、グループを挙げた物流の抜本改革に乗り出す。昨年、神戸センター(神戸市須磨区)で導入し、コスト削減効果を上げているマテリアル・ハンドリング(少量多品種・バラ単位ピッキング)システムを、今年度は関東センター(埼玉県加須市)にも導入。同社の強みとなっている全国13か所の物流拠点体制は維持しつつ、取り扱い量と商品に合わせ、他の拠点にも展開する。さらに営業企画部隊とも連携し、顧客の特性に応じた効率的で、低コストな物流の運用手法を探る。これにより、現在は売上高比で1.45%の物流コストを、2006年度(07年3月期)末までに同1%以下に引き下げ、粗利率改善で商品価格下落にも耐えられる体質を目指す。
コストを売上比1%以下に
DISは、全国70か所の営業拠点と13か所の物流拠点を武器に事業を拡大、独立系最大手のディーラーとなっている。従来はパソコン本体や比較的大型の周辺機器などが中心であったため、全国展開した自動倉庫が効率的な物流を可能にしていた。
しかし、近年は小物の取り扱いが増え、ここ5年で取り扱い量は売上高の伸びを大きく上回る240%増となり、年間取り扱い量は3000万個となっている。取り扱い量のキャパシティとコスト低減による粗利率改善が経営上の大きな課題となっていることから、03年7月以降、グループ全体として新たな物流戦略の立案を進めてきた。
まず、物流子会社のディーアイエス物流では、神戸センターに導入した小物商品の少量多品種・バラ配送対応ピッキングシステムが効果を挙げていることから、今年度は新たに関東センターにも導入する。小物商品を平積みしたピッキングエリアと在庫・出庫確認用のPDA(携帯情報端末)、カートで構成するためイニシャルコストが軽微なうえ、荷捌き量の変動もピッキング要員の投入量で調整でき、ランニングコストも低減できる。
神戸と関東の両センターでDISの取り扱い量の60%以上に達するため、当面はカバーできるが、必要に応じ他のセンターにも展開していく考え。さらに、ディーアイエス物流では、センターごとに個別契約している運送費についても、料金改定を指示。物流拠点サイドからのコスト低減を進める。
一方、営業部隊との連携については、今年度(05年3月期)からディーアイエス物流の要員も加え、営業企画部内に「物流効率化グループ」を立ち上げた。量販店向けなど、既存顧客とは異なるチャネルの取り扱いも増えているため、顧客の特性に応じた効率的で低コストな物流手法を探る。
具体的には、これまで原則としていた顧客に一番近い拠点からの「最寄り出荷」を改め、負荷の少ないセンターを活用するトライアルを開始した。量販店の場合、土曜・日曜の荷動きが激しいため、負荷の少ないセンターから土曜出荷を実施する。現在、データ収集の最中だが、将来的には最寄り出荷の原則を取り払い、専門的に扱う可能性もあるとしている。
このほか、一部で実施しており、取引先であるメーカーにもメリットのある「無検品出荷」の拡大、客先の特性に応じた集中配送・分散配送の推進、超小口配送の有料化など、営業と物流が一体となって効率化に取り組む。
DISの松本社長は「ディーラーの場合、商品そのものが武器でなく、人が武器。人件費を削減することはできない」としており、商品価格の低下が続くなかで利益を確保するには、物流コスト削減が不可欠とみている。
小物商品の扱いが増加し、ピーク時の物流コストは売上高比2.2%まで上昇していた。これまでにもコスト削減策を実施し、現在は1.45%になっているが、抜本的な見直しを行うことで06年度末に1%以下とし、利益を確保できる体制を目指す考えだ。
ダイワボウ情報システム(DIS、松本紘和社長)は、取り扱い商品の増加と配送小口化にともなう粗利率低下に対応するため、グループを挙げた物流の抜本改革に乗り出す。昨年、神戸センター(神戸市須磨区)で導入し、コスト削減効果を上げているマテリアル・ハンドリング(少量多品種・バラ単位ピッキング)システムを、今年度は関東センター(埼玉県加須市)にも導入。同社の強みとなっている全国13か所の物流拠点体制は維持しつつ、取り扱い量と商品に合わせ、他の拠点にも展開する。さらに営業企画部隊とも連携し、顧客の特性に応じた効率的で、低コストな物流の運用手法を探る。これにより、現在は売上高比で1.45%の物流コストを、2006年度(07年3月期)末までに同1%以下に引き下げ、粗利率改善で商品価格下落にも耐えられる体質を目指す。
続きは「週刊BCN+会員」のみ
ご覧になれます。
(登録無料:所要時間1分程度)
新規会員登録はこちら(登録無料)
ログイン
週刊BCNについて詳しく見る
- 注目のキーパーソンへのインタビューや市場を深掘りした解説・特集など毎週更新される会員限定記事が読み放題!
- メールマガジンを毎日配信(土日祝をのぞく)
- イベント・セミナー情報の告知が可能(登録および更新)
SIerをはじめ、ITベンダーが読者の多くを占める「週刊BCN+」が集客をサポートします。
- 企業向けIT製品の導入事例情報の詳細PDFデータを何件でもダウンロードし放題!…etc…