その他
アジア最大のIT見本市 コンピュテックス台北2004開催
2004/06/14 15:00
週刊BCN 2004年06月14日vol.1043掲載
アジア最大のIT関連見本市「コンピュテックス台北2004」が今月1-5日までの5日間、台湾・台北市で開催された。台北世界貿易センターを中心に合計4か所の主要イベントホールを使用。24回目となる今回は、2828ブースが所狭しと会場を埋め尽くし、これまでで最大規模となった。会場ではパソコン関連機器の出展が多いなか、新たな注目分野としてIP電話関連機器やデジタル家電が台頭してきた。(木村剛士●取材/文)
出展企業数1400社と過去最大規模
■好調な台湾IT関連企業
約6万平方メートルの展示面積を使用して開催された今年の「コンピュテックス台北2004」。出展企業数は、前回に比べ13%増の約1400社、ブース数は同17%増の2828と、依然として台湾のIT関連産業が好調なことをうかがわせた。
昨年も参加した出展企業によれば、「新型肺炎SARS(重症急性呼吸器症候群)の影響で開催が9月に延期になった昨年は、出展側もバタバタし、参加を見送る企業もいたが、今年はスケジュール通りに進み混乱もなかった。台湾の景気が徐々に上向いていることも奏功している」と、開催初日の盛況ぶりにホッとした様子。
連日、気温30度を超える暑さのなかで、初日から世界各国のバイヤーが集まり、5日間の開催期間中に会場に足を運んだバイヤー数は前回に比べ約18%増え延べ2万6000人を突破。来場者数も過去最高を更新した。訪れたバイヤーのなかでは、米国からが最も多かったが、日本のバイヤー数も約3300人と2番目に多く、日本のIT関連企業の台湾メーカーへの関心は高い。
日本から参加したある流通商社は、「日本メーカーの製品に比べれば、デザインや品質はまだまだ劣るが、日本の消費者の購入意欲をそそるような商材が最近増えてきた。ここ数年は毎年参加している」と、台湾メーカー製品の調達に力を入れ始めている。
4つの会場では、通信分野や周辺機器、ディスプレイ、ストレージといった12のカテゴリーに製品を分けて展示。あらゆる場所で出展企業とバイヤーの商談スペースが設けられており、米コンシューマ・エレクトロニクス・ショー(CES)などの主要ITイベントに比べ、展示だけでなく実ビジネスに結びつけようとする仕組みが印象的だ。
■デジタル家電とIP電話が人気
会場全体の展示製品は、ベアキットパソコンやマザーボード、周辺機器などパソコン関連機器の展示が大半を占めた。今年1月に米国で開催されたCESでは、デジタル家電や車載用情報家電などが人気を集め、パソコン関連機器が影を潜めた。これに対しコンピュテックスでは、「パソコンが主役」という雰囲気が全体的に漂う。
だが、そのなかでも液晶テレビやMP3プレイヤーなど一部のデジタル家電が、複数のメーカーから登場しており、先行メーカーも含め各ブースには人が集まっていたのも、台湾のデジタル家電に対する注目の高さを表していた。特にデジタルカメラとMP3プレイヤーについて、ある台湾のデジタル家電メーカーは、「ポータブルMDプレイヤーが浸透していない台湾では、MP3プレイヤーの普及の方が早い。技術的に難しい部分が少ないだけに参入も容易で、サプライ側と消費者ともに今一番盛り上がっている製品」と話す。
一方で、デジタル家電に負けず注目を集めていたのがIP電話。台湾の昨年のIP電話機の生産量は約200万台、生産額は約50億元(約650億円)に達しているという急成長分野。そのニーズを見越して、コンピュテックスでもIP電話関連エリアを初めて設けたが、「参加企業が殺到し、スペースが足りなくなった」(主催者側担当者)程。会場ではIP電話機に加え、IP-PBX(構内交換機)の展示やIP電話と組み合わせた応用アプリケーションのデモも行われた。日本国内でもIP電話に対する需要は急拡大しているが、台湾でも国内需要開拓が進んでいる。供給側も参入企業が増え、IP電話関連機器の開発生産を強化しているという。
今年のコンピュテックスでは規模もさることながら、出展者の熱気も伝わり、台湾のIT関連企業がビジネス拡大に貪欲になっている様子が見える。“世界の生産拠点”が中国に移りつつあるなかで、台湾のITメーカーもコンピュテックスでその存在をアピールしていた。
アジア最大のIT関連見本市「コンピュテックス台北2004」が今月1-5日までの5日間、台湾・台北市で開催された。台北世界貿易センターを中心に合計4か所の主要イベントホールを使用。24回目となる今回は、2828ブースが所狭しと会場を埋め尽くし、これまでで最大規模となった。会場ではパソコン関連機器の出展が多いなか、新たな注目分野としてIP電話関連機器やデジタル家電が台頭してきた。(木村剛士●取材/文)
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