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ハードとソフトの卸事業を融合 丸紅インフォテック、05年度戦略を発表
2005/06/27 21:10
週刊BCN 2005年06月27日vol.1094掲載
大手ディストリビュータの丸紅インフォテック(梅哲雄社長)は、2005年度(06年3月期)の経営方針を発表した。同社は昨年10月、ソフト卸事業者のコンピュータウェーブと合併、同12月には子会社であるパソコン周辺機器メーカーのロジテックを売却するなど抜本的な構造改革を実施。04年度下期は新体制の基盤作りに徹したうえで、今年度に入り組織を大幅に再編することで、ハードウェアとソフトウェアを融合した新しいディストリビューションビジネスが展開できる体制を整えた。一連の布石により、丸紅インフォテックグループは成長軌道への新たな一歩を踏み出した。(佐相彰彦●取材/文)
業績拡大の軌道に乗れるか!?
■04年度は増収ながらも減益に
丸紅インフォテックの04年度(05年3月期)連結業績は、売上高が1415億2100万円(前年度比20.7%増)と伸びたものの、営業利益は4億8500万円(同10.5%減)とマイナスに。経常利益は5億2700万円(同12.4%増)、最終利益は1億1600万円(同33.1%減)だった。昨年10月にソフト卸のコンピュータウェーブを合併したことが売上増に寄与したが、ディストリビューション事業に比べて利益率が高いパソコン周辺機器製造のロジテックを売却したことで、売上総利益率が5.7%(前年度は6.4%)に悪化し、営業利益で前年度を下回る結果となった。
04年度の期初連結業績予想では、売上高1460億円、営業利益9億円を掲げていたが、売上高、営業利益ともに予想に及ばなかった。この理由について梅社長は、「ロジテックの売却を予想に入れていなかった」ことを挙げる。
同社にとって04年度は、主力ビジネスであるディストリビューション事業の強化が最大の課題だった。しかも、「ロジテックは業績不振が続いていた」(梅社長)という状況にあったため、「昨年度に実施したコンピュータウェーブとの合併とロジテックの売却は、丸紅インフォテックグループがさらに飛躍するための重要な決断だった」(同)と訴える。その結果、昨年度は業績見通しに狂いが生じたが、今年度からの成長軌道に向けた布石を手堅く打ったというわけだ。
■新システムと新組織がカギ
昨年度に収益向上への抜本的な構造改革を実施し、ハードとソフトを融合させた新しいディストリビューションビジネスが今年度から本格的に立ち上がることになる。
同社では昨年度まで、ハード機器を販売する組織を「ハードウェアカンパニー」、ソフトを担当する組織を「ソフトウェアカンパニー」と分けていたが、今年度に入り両組織を統合。加えて、コンシューマ市場や法人市場、地域などを担当する各営業本部を網羅する新組織「販売推進本部」を設置した。
同本部は、法人向けにシステムを提供するための技術スタッフによる支援、主要商品の拡販に向けたマーケティングの窓口として機能する。「この体制で各市場に合った製品やソリューションを提供できるようになる」(梅社長)としており、「新しい市場を開拓するための戦略を立てている」(同)段階だ。
また、販売パートナーとの連携強化に向け、インターネットによる新受発注システムの本格稼働を7月に予定している。このシステムは、ハード、ソフトの受発注業務を統合するもので、販売パートナーにとって丸紅インフォテックへの発注作業が大幅に効率化することになる。本来、同システムは今年度早々に稼働する予定だったが、「ハード部門とソフト部門の社内システム統合などに遅れが生じた」(梅社長)ことで先延ばしになった経緯がある。これがいよいよ本格稼働を迎える。
今年度の連結業績予想は、ハードとソフトを組み合わせた販売で売上高1700億円と前年度比20.1%増を見込み、これに合わせて営業利益8億4000万円(前年度比73.2%増)、経常利益6億4500万円(同22.4%増)、当期純利益2億7000万円(同132.8%増)と増収増益を掲げる。この目標達成には、ハード、ソフトの“シナジー効果”を狙った新組織が上手く機能することに加え、新受発注システムをいかに効果的に活用できるかがカギを握ることになる。
大手ディストリビュータの丸紅インフォテック(梅哲雄社長)は、2005年度(06年3月期)の経営方針を発表した。同社は昨年10月、ソフト卸事業者のコンピュータウェーブと合併、同12月には子会社であるパソコン周辺機器メーカーのロジテックを売却するなど抜本的な構造改革を実施。04年度下期は新体制の基盤作りに徹したうえで、今年度に入り組織を大幅に再編することで、ハードウェアとソフトウェアを融合した新しいディストリビューションビジネスが展開できる体制を整えた。一連の布石により、丸紅インフォテックグループは成長軌道への新たな一歩を踏み出した。(佐相彰彦●取材/文)
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