その他
曲り角にきた台湾系パーツメーカーのOEM事業 パソコン完成品ビジネスの参入相次ぐ
2005/09/05 15:00
週刊BCN 2005年09月05日vol.1103掲載
パソコンの低価格化とともに、パソコンのOEM(相手先ブランドによる生産)ビジネスが利益縮小という窮地に陥っている。台湾系の組立パソコン用パーツメーカーでもOEMビジネスを縮小する動きが顕著になってきた。OEMを捨て、パソコン本体など自社ブランドによる完成品ビジネスに着手することで業績を回復しようと各社が一斉に動き出した。ブランド力の向上により他業界とのアライアンスを組んでビジネス領域を拡げたり、ワールドワイドにビジネスを拡大することも狙っている。(佐相彰彦●取材/文)
低価格化による利益縮小が要因
■各社、「次のビジネス」を模索
マザーボードやベアキットPCなどの台湾系メーカーにOEMビジネスを縮小する動きが出ているのは、パソコンの低価格化で利益の確保が難しくなっていることが最大の要因だ。
エーオープンは、「パソコンや関連機器市場が成熟期に入っていることで、OEMビジネスの受注額が下がっている」(バニー・サイCEO)と危機感をあらわにする。大手パソコンメーカーでも低価格モデルの発売が一般化しているため、「今後は、パソコンを片手間に開発しているシステムビルダーなどは淘汰されるだろう」(同)とみており、「生き残るためには、大手パソコンメーカーが考えつかないようなビジネス領域を見つけ出さなければならない」(同)と必死だ。
シャトルは昨年、OEMビジネスから撤退した。シー・ケイ・フォン・エグゼクティブバイスプレジデントは、「OEMビジネスに将来はない」と明快だ。OEMビジネスが、取引先パソコンメーカーの業績次第でビジネスの拡大、縮小の成否を左右されるため、そこから脱却を目指すが、「OEM事業を撤退したからといってマザーボードなどパーツビジネスだけに限定しているのでは利益を生むことが難しい。次のビジネスを進めなければならない」と、次の一手は決めかねている。
■自社ブランドで利益を確保
OEMメーカーが主力ビジネスを縮小する一方で、工場の稼動を維持するために「何か」を生産しなければならない。
それまで培ったノウハウを生かすには、当たり前だが、「パソコン本体を生産販売することが最適」とばかりに続々と自社ブランド品の製造販売に乗り出してきた。パソコンの価格は低下しているものの、「パーツに比べれば粗利が十分に取れる」(エーオープンのサイCEO)という目算があり、自社ブランドでのパソコンビジネスは苦肉の策ではないと言いたげ。
シャトルも、今年からパソコン完成品の販売を開始。台湾をはじめ欧州にも製品を投入している。日本では9月末に発売する予定で、現在はコールセンターを設けるなどサポート面の強化を図っている。パソコン完成品の売上高については具体的には明らかにしていないが、「売上全体の10%を確保する」(フォン・エグゼクティブバイスプレジデント)方針。
エーオープンでも、OS非搭載のデスクトップパソコン「MiniPC」を今年10月にワールドワイドで一斉に発売する。同時に、カーナビゲーションとしての活用も狙って自動車メーカーとアライアンスを組んだ。将来は薄型テレビへの搭載も視野に入れ、テレビメーカーとの商談も進めている。「パソコン本体も、他業界に売り込めば1つの製品を完成させるための“パーツ”になる。大手パソコンメーカーが真似できないような隙間のビジネスが売上高を伸ばすことにつながる」と自信満々だ。MiniPC単体での販売台数については、10月の発売から3か月間でワールドワイドで10万台を目指しており、そのうち日本では10-12月の冬商戦で1万5000台を見込む。
台湾系メーカーは、パソコン本体の製販に着手することで、厳しさを増すOEMビジネスに別れを告げる。IBMがレノボにパソコン事業を売却したように、大手でさえも完成品ビジネスは厳しい。OEMメーカーの知名度は高くはない。規模で圧倒する大手に対抗できる強みを発揮し、利益率の大きなビジネスモデルをつくり出さなければ勝算はない。
パソコンの低価格化とともに、パソコンのOEM(相手先ブランドによる生産)ビジネスが利益縮小という窮地に陥っている。台湾系の組立パソコン用パーツメーカーでもOEMビジネスを縮小する動きが顕著になってきた。OEMを捨て、パソコン本体など自社ブランドによる完成品ビジネスに着手することで業績を回復しようと各社が一斉に動き出した。ブランド力の向上により他業界とのアライアンスを組んでビジネス領域を拡げたり、ワールドワイドにビジネスを拡大することも狙っている。(佐相彰彦●取材/文)
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