その他
熱帯びるシンクライアントビジネス システムビルダーが相次ぎ参入
2005/09/12 15:00
週刊BCN 2005年09月12日vol.1104掲載
システムビルダーがシンクライアントビジネスに参入する動きが出てきている。これまでメーカーなどからパソコンなどクライアント端末の受託開発を行ってきたノウハウを生かし、自社ブランドでHDD(ハードディスクドライブ)を持たないシンクライアント端末を開発。アプリケーションベンダーなどをパートナーとして開拓し、セキュリティなどを切り口にビジネスソリューションとして提供していく。まずは大企業の獲得に力を注ぎ、少量でも低価格で端末を販売することを武器に、近い将来には中堅・中小企業(SMB)にも拡販していく方針だ。(佐相彰彦●取材/文)
低価格を武器に拡販へ
■パーツや受託開発のノウハウ生かす
シネックスでは、HDDを搭載していないノート型シンクライアント端末「ノンHDDノートブック」の拡販に力を入れている。同社は、マザーボードなど組立パソコン用パーツのディストリビューションを主力ビジネスとして手がけており、さまざまなパーツの仕入れノウハウを持っている。サーバーメーカーなどがクライアント端末の開発を委託するケースも多い。こうした実績を生かし、自社ブランドのシンクライアント端末を開発した。
今年度(2006年3月期)は、大手の証券会社や保険会社などに拡販していき、シンクライアント端末の販売台数で5000台を狙う。現段階では、アプリケーションベンダーを中心に販売パートナーの獲得を急いでおり、「年内をめどに10社程度とパートナー契約を結ぶ」(小島広・業務部IA製品システム営業促進グループプロダクトマネージャー)方針。
CTO(旧エフ・アイ・シー販売)では、CTO(注文仕様生産)方式のパソコンを自社ブランドで開発する一方、サーバーメーカーからサーバーの受託開発をビジネスとして手がけている。そこで「サーバービジネスを本格化させる」(蔡永桂社長)ことを目的に、シンクライアントサーバーを中心としたソリューション「ディスク・イメージ・ディストリビューション(DID)システム」の提供に踏み切った。「今年度末までに30社程度をパートナーとして開拓したい」(同)としており、システムインテグレータ(SI)と話を進めているという。シンクライアント関連のビジネスは、今年度(06年3月期)に1億円の売上高を見込む。
■まずは大企業を中心に顧客開拓
システムビルダーがシンクライアントビジネスに着手したのは、個人情報保護法の完全施行で“個人情報漏えい対策ソリューション”などハードとソフトに問わずセキュリティを切り口とした製品で顧客企業を開拓できると判断したためだ。「シンクライアント端末で自社ブランドを高める」(蔡CTO社長)ことや、「シンクライアントにも対応していることで、システム案件を増やす」(小島シネックスマネージャー)ことを視野に入れる。しかも、「まずは大企業を中心に拡販していくが、導入事例を増やしていけば、近い将来にはSMBに販売をかけることも可能となる」(下地匡・シネックスマーケティング部主任)と、SMBビジネスの加速を最大の狙いとし、「SMBを顧客にすれば、1年単位でHDD非搭載端末が2倍の販売台数に膨れあがるなど大きなビジネスが生まれるだろう」(小島シネックスマネージャー)とみている。CTOでも、「SMBは次のビジネスにつなげるための重要な市場」(蔡CTO社長)とみている。
システムビルダーがシンクライアントビジネスを手がける以前から、すでに大手サーバーメーカーなどは同事業を手がけている。そのため、システムビルダー各社は低価格に設定することで対抗している。シネックスは端末1台あたり18万円に設定。CTOでは、「システムベースで大手メーカーより2割程度は安い」(蔡CTO社長)と断言する。
大手メーカーとの差別化として価格をアピールし、当面は大企業を相手に顧客を開拓していく。そういった意味では、シンクライアント関連市場で競争が加熱する可能性もある。
シンクライアントのニーズが拡大している状況で、日本のSIもただ指をくわえて見ているわけではない。98年にいち早くシンクライアント・システムを事業化した松下電工インフォメーションシステムズ(松下電工IS)でも、さらにこの事業を強化する。
東京駅に近い八重洲オフィスの営業部門でシンクライアントを自ら導入したほか、オフィスにシンクライアントシステムを体感できるショールームも開設した。主にハードベンダーのブランドのシンクライアントを調達し、システム構築で収益をあげるビジネス戦略を立てている。すでに九州工業大学や福岡大学で大規模なシンクライアントシステムを構築し、自動車メーカーでも採用されているという豊富な実績を強みにしている。
システムビルダーがシンクライアントビジネスに参入する動きが出てきている。これまでメーカーなどからパソコンなどクライアント端末の受託開発を行ってきたノウハウを生かし、自社ブランドでHDD(ハードディスクドライブ)を持たないシンクライアント端末を開発。アプリケーションベンダーなどをパートナーとして開拓し、セキュリティなどを切り口にビジネスソリューションとして提供していく。まずは大企業の獲得に力を注ぎ、少量でも低価格で端末を販売することを武器に、近い将来には中堅・中小企業(SMB)にも拡販していく方針だ。(佐相彰彦●取材/文)
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