その他
存在感を増すプラットフォーム製品 「Security Solution 2005」開催
2005/11/07 14:53
週刊BCN 2005年11月07日vol.1112掲載
10月26-28日の3日間、東京ビッグサイトでセキュリティ製品・サービスの総合展示会「Security Solution 2005」が開催された。“情報漏えい対策ブーム”を受けて、情報セキュリティソリューションはIT産業のなかでもとくに成長分野となった。ただ、情報漏えい対策といっても、その内容は千差万別でひと言ではくくれない。140社以上のセキュリティベンダーを集めたセキュリティ専門の大規模イベントから、今の流行を探った。(木村剛士●取材/文)
ログなど事後対策製品が注目分野に
■情報漏えい対策が主役
一向に減ることのない個人情報漏えい事件・事故に加え、今年は4月1日完全施行の「個人情報保護法」が情報セキュリティビジネス拡大の“起爆剤”となった。情報セキュリティへの関心が盛り上がりを示すなかで開催された「Security Solution 2005」は、過去3回とは異なる熱気に包まれていた。参加企業は142社、ブースは370小間と、ともに昨年の実績を上回った。
今年の主役は、やはり情報漏えい対策製品。なかでも情報漏えい防止の複数の機能を1つのプロダクトに包括した「セキュリティプラットフォーム」と呼ばれる大型製品を展示するベンダーが存在感を発揮していた。
「秘文」を販売する日立ソフトウェアエンジニアリング(日立ソフト)、そして「CWAT(シーワット)」を開発するインテリジェントウェイブ(IWI)、ハミングヘッズはその代表例で、3社ともに最大規模のブースを設置。参加者の注目を集めていた。
一方で、トレンドマイクロ、マカフィーなど外部アタック対策製品を持つ主要企業の姿はなかった。情報漏えい対策製品の展示が急増したのは前回だったが、今年はさらにセキュリティの主軸の地位を確立した格好だ。セキュリティ技術のメインは、内部からの情報漏えい防止へと確実にシフトしている。
■関心は防止から事後対策へ
セキュリティプラットフォーム製品とともに、注目を集めていたのがログ(情報の記録)収集・管理ソフトに代表される事後対策製品だ。
コンピュータウイルスの侵入阻止や情報漏えい防止対策など、事前対策製品が主軸だったのが今までのセキュリティ市場。しかし、「100%のセキュリティ対策はない」(カカクコムの穐田誉輝社長)という意識が浸透し、事後に備えた対策の必要性を強調するベンダーが特に増えたからだ。
ログは、情報システムとネットワークに万一の不正アクセスがあった場合や、情報漏えい事件・事故が起きた場合に紛失情報に関与した社員を突き止めるための有効な情報だけに、事後対策の“キラーソリューション”に位置付けられていた。
情報漏えい対策ソフトを開発・販売するサイエンスパークは、今回のイベントでログ収集・管理ソフトを参考出展。「ログ収集に関する関心の高さは想像以上」(小路幸市郎代表取締役)と、来春の製品化に向けて手ごたえをつかんだ様子だ。
個人情報保護法が完全施行されても、依然として情報セキュリティ対策を施している企業は少ないというのが、セキュリティベンダー各社の一致した見解。NECの石井俊行・ユビキタスソフトウェア事業部マーケティングマネージャー(セキュリティグループ)は、「大手企業でも初歩的なセキュリティ対策を施していない企業は多い。SMB(中堅・中小企業)はほとんど対策はされてなく、今後も開拓の余地は大いにある。これからが本番」と意欲を燃やす。
セキュリティ市場は、ニーズが強い分野だけにビジネスチャンスは多い。だが、一方で、未成熟な市場だけに新たな製品が次々と登場し、旬の商材が急激に変化するのも特徴だ。前回に比べると、主要なプレイヤーも製品も変わっている。セキュリティ製品・ソリューションが急速に広がりを見せていることを印象付けた。
10月26-28日の3日間、東京ビッグサイトでセキュリティ製品・サービスの総合展示会「Security Solution 2005」が開催された。“情報漏えい対策ブーム”を受けて、情報セキュリティソリューションはIT産業のなかでもとくに成長分野となった。ただ、情報漏えい対策といっても、その内容は千差万別でひと言ではくくれない。140社以上のセキュリティベンダーを集めたセキュリティ専門の大規模イベントから、今の流行を探った。(木村剛士●取材/文)
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