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ビジネスPCの拡販策を推進 NEC「バリューアップサイクル」で顧客マインド獲得へ
2005/11/28 21:10
週刊BCN 2005年11月28日vol.1115掲載
NEC(金杉明信社長)はビジネスパソコン拡販策として、10月から「バリューアップサイクル」を打ち出している。「ずっと続く、安心。」と明記しクオリティ(品質)、スピード(納期)、セキュリティ、サポート、エコロジー(廃棄、リサイクル)の5つの項目を連携させたサイクルを構築し、パソコンの導入から廃棄までのLCM(ライフサイクルマネジメント)をアピールする。「ビジネスパソコンは低価格戦略ばかりが目立っている」市場環境にあって、「LCMを前面に打ち出し、NECの価値を顧客に再評価してもらう」(伊藤正文・NECビジネスPC事業部長)ことを狙っている。(川井直樹●取材/文)
導入から廃棄までの全過程をマネジメント
■品質、納期など5項目をサイクル化
NECの今年度上期のビジネスパソコン販売は、「前年同期に比べ1ケタの伸長」(伊藤ビジネスPC事業部長)と、デルや日本ヒューレット・パッカード(日本HP)などの外資をはじめ、国内メーカーとの価格競争が激しくなる中で健闘している。しかし、「価格面ばかりが強調されて、品質や納期、セキュリティといった価格以外の要素が重視されていない」ことから、それらをバリューアップサイクルとして強調する販売戦略を採用した。
伊藤ビジネスPC事業部長は、「当社の場合、NECパーソナルプロダクツの米沢事業場(山形県米沢市)で生産していることで3日の納期を実現している。そうしたひとつひとつの価値をサイクルとしてアピールし顧客に評価してもらう」と、これまで個々に独立していた品質、納期、セキュリティ、サポート、エコロジーという項目をサイクル化した理由を話す。
サイクルを構成する各項目についても、これまで以上の価値を提供できるようにブラッシュアップしている。国内生産による品質の高さとともに、米沢事業場ではRFID(無線タグ)を使った第2段階の部品調達システムを年末までに稼働させる方針。BTO(注文生産)による品種数は膨大な数にのぼるが、部品在庫を半減させても確実に短納期で供給できる体制を強固にしていく。
■指紋認証搭載PC拡大
また、セキュリティでは、指紋認証搭載パソコンの拡大を続ける。指紋認証装置自体のコストは現在、1万5000円程度だが「来春には1万円を切るレベルに引き下げられる」という。搭載機種が増え、販売拡大による増産効果もあるが、システムの基本ソフトの改良などコスト削減のめどをつけたという。
また環境面では回収、リサイクルをアピールする。企業で使用するビジネスパソコンは、廃棄する際に産業廃棄物になるが、NECでは「リフレッシュPC」として回収・再利用する手法を確立している。企業が環境対策を強化しているなかで、使用済みパソコンについても単純に廃棄処分するのではなく、リサイクルに提供する道を開いていることで、顧客がNEC製ビジネスパソコンを積極的に採用することを促す効果がある。保守についてもNECグループのNECフィールディングの国内約400か所のサービス拠点を活用できることなどを、より強く打ち出す。「ライバルは保守を委託しているところもあるが、当社は同じNECグループを活用できる」とサポート品質の高さも訴える。
バリューアップサイクルをアピールしていくことにより、下期のビジネスパソコン販売について伊藤事業部長は、「市場の成長率予想を上回る、10%超の伸びを目指す」と、バリューアップサイクルを前面に出したマーケティング戦略に手応えを感じている。
NEC(金杉明信社長)はビジネスパソコン拡販策として、10月から「バリューアップサイクル」を打ち出している。「ずっと続く、安心。」と明記しクオリティ(品質)、スピード(納期)、セキュリティ、サポート、エコロジー(廃棄、リサイクル)の5つの項目を連携させたサイクルを構築し、パソコンの導入から廃棄までのLCM(ライフサイクルマネジメント)をアピールする。「ビジネスパソコンは低価格戦略ばかりが目立っている」市場環境にあって、「LCMを前面に打ち出し、NECの価値を顧客に再評価してもらう」(伊藤正文・NECビジネスPC事業部長)ことを狙っている。(川井直樹●取材/文)
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