その他
ネットワーク系SIer サーバー領域に相次ぎ進出
2006/04/03 14:53
週刊BCN 2006年04月03日vol.1132掲載
ネットワークシステムの構築を得意とするSIerがサーバー領域への事業拡大に動き出した。まずはサーバー側のアプリケーションサービス提供に力を入れ、将来的には基幹システムの構築などにも手を広げたい考え。ネットワークビジネスは、機器の低価格化で収益の低下が続いている。しかも、IP電話ビジネスを切り口にネットワーク領域への参入を図るサーバー系ベンダーが増加しており、ネットワーク系としては反転攻勢をかけるうえでも、サーバー領域への進出が地盤沈下を防ぐカギと判断したようだ。
総合的なシステム構築を狙う
業績低下で新規分野に活路探る
ネットワンシステムズグループでは、保守・サポートなどサービス面からサーバー領域への事業拡大に乗り出す。06年4月1日付けで子会社のネットワークサービスアンドテクノロジーズにサービス関連の全事業を移管、06年度(07年3月期)中にエンジニア200人程度の増員を予定している。ネットワークサービスアンドテクノロジーズの竹下隆史・テクニカルサービス執行本部長は、「エンジニアの増員は、顧客企業に対するオンサイトサポートの強化が最大の狙い。サーバーシステムの構築に強いエンジニアも増強し、ネットワークに依存しないサポートサービスを模索したい」と新規分野への進出に意欲を燃やす。
一方、ネットマークスは、セキュリティビジネスを足場にコンサルティングからシステム構築、運用・保守までを提供することで事業領域の拡大に取り組む。現状は、VPNやアンチウイルス、不正侵入検知などネットワークインフラ部分でのセキュリティシステムの案件が多い。しかし、「内部統制の強化に向けてサーバーのセキュリティ強化を求めるニーズが高まっている。社内データ管理や情報漏えい対策を切り口にサーバーのセキュリティ提案を本格化していく」(内田昌宏・セキュリティソリューション事業部副事業部長シニアコンサルタント)という。
ネクストコムは、04年12月にIP関連機器販売のアダムネットとシステム開発のビーエスアイの2社と統合し、ネットワークシステムの構築やIP関連ビジネス、SI(システムインテグレーション)の3分野をトータルで行えるようになった。「05年度は、社内の基盤作りを徹底した。統合効果が現れるようなビジネスを展開するのは06年度から」(広報担当者)と、トータルインテグレーションビジネスの準備を着々と進める。IP関連システムの提案がネットワークインフラ機器の受注に結びつくケースも現れ始めていることから、「新年度は組織を大幅に刷新するなど、統合効果を発揮できる体制が整う」として、サーバービジネスを加速させる。
ネットワーク系SIerがビジネス領域の拡大に乗り出しているのは、これまで収益源だったネットワークインフラの構築で利益が確保できにくくなったことが背景にある。ルータやスイッチなどネットワーク機器の低価格化が最大の原因。主要ベンダーはネットワーク機器の販売を中心に業績不振が相次いでいる。
05年度(06年3月期)第3四半期までの9か月間は、ネットワンシステムズが売上高で714億4700万円(前年同期比19.9%減)、営業利益で51億9100万円(同20.8%減)。ネットマークスの売上高は375億400万円(同0.9%減)と微減にとどまったものの、営業損益では7億8000万円の赤字(前年同期は1億9800万円の黒字)に転落した。ネクストコムは、05年度が実質的な合併初年度となるため、業績の増減が前年度と比較できないものの、通期予想を下方修正するなど業績が伸び悩んでいる。
しかも、最近はIP電話関連ビジネスをベースにネットワーク市場に新規参入するベンダーが増加している。サーバーシステムの構築に強いベンダーがネットワーク案件を獲得するケースもある。ネットワーク系SIerとしても、サーバー領域に事業を拡大することで、新規参入ベンダーとの差別化策を模索せざるを得ない状況だ。
ネットワークシステムの構築を得意とするSIerがサーバー領域への事業拡大に動き出した。まずはサーバー側のアプリケーションサービス提供に力を入れ、将来的には基幹システムの構築などにも手を広げたい考え。ネットワークビジネスは、機器の低価格化で収益の低下が続いている。しかも、IP電話ビジネスを切り口にネットワーク領域への参入を図るサーバー系ベンダーが増加しており、ネットワーク系としては反転攻勢をかけるうえでも、サーバー領域への進出が地盤沈下を防ぐカギと判断したようだ。
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