その他
NECと米EMC ストレージ分野で提携を拡大
2006/04/17 21:10
週刊BCN 2006年04月17日vol.1134掲載
NEC(矢野薫社長)と米EMC(ジョー・トゥッチ会長兼社長兼CEO)がストレージ分野での製品開発や販売で提携を拡大した。国内売上規模は、08年度(09年3月期)に両社合計で現状の1.5倍にあたる600億円を見込む。来年度早々には、エントリーモデルで次世代製品の市場投入を計画。国内ストレージ市場で08年度までにトップシェアを狙う。(佐相彰彦●取材/文)
カギ握る次世代エントリーモデル
■国内外ともにビジネスを加速
具体的な提携内容は、ストレージ機器とミドルウェア、コンテンツ管理システムの共同開発、国内SIビジネスの強化など。両社が共同開発した製品やソフトは、海外市場で米EMCが販売し、国内市場でNECがSIを含めたシステムルートで販売する。
NECにとっては、海外ビジネスの強化が狙い。矢野社長は、「サーバーでユニシス、ネットワークでフィリップスなど、これまでも各分野で提携を結んできた。今回の協業もその一環。グローバルでプラットフォームビジネスを加速する体制が整った」という。
しかも、「国内ではEMCのトップSIerとして販売やシステム構築のノウハウがあり、EMC製品を知り尽くしている」(矢野社長)。さらに開発面でも提携したことで、SI対応力の強化が図れるとしている。
米EMCは、NECとの関係強化によって、日本市場でのシェア拡大に期待を寄せる。米EMCのトゥッチ会長兼社長兼CEOは、「パートナーシップを強めることは、1+1=2以上の効果をもたらすことになる。日本は、当社が成長するうえで重要な市場だ。今回の協業で日本でのマーケットシェア拡大を実現できる」と強気の構えだ。
■トップシェア奪取に強い意欲
NECの川村敏郎副社長は、「国内ストレージの売り上げは、両社合計で400億円規模となる。これを08年度までに600億円までに引き上げる」という目標を打ち出した。売上拡大の布石を打つのが、来年度早々に市場投入する次世代版のエントリー製品という。
次世代製品には、米国のストレージ技術コンソーシアムで標準化を検討している「ストレージブリッジベイ」と呼ばれる新アーキテクチャを採用、NEC製の「アイストレージ」シリーズとEMC製の「クラリックス」シリーズそれぞれに追加する。具体的な機能については明らかにしていないものの、「これまでのストレージシステムとはまったく異なるものが提供できる」(同)としている。
また、ミドルウェア開発ではNECの統合システム管理製品「ウェブサム」とEMCのリソース管理ソフト「スマーツ」の相互接続性を強化し、サーバーからストレージ、ネットワークまでのリアルタイムなシステム管理を可能とする。コンテンツ管理システムでは、EMCのコンテンツ管理ソフトとNECの業種、業務アプリケーションサービスを組み合わせ、新しいコンテンツ管理システム「ECM(エンタープライズコンテンツマネジメント)」を提供していく。国内でのSIビジネスについては、両社が持つストレージ製品とILM(インフォメーションライフサイクルマネジメント)コンサルティング力を合わせたSIを手がけるほか、共同検証センターの設置を計画している。
国内ストレージ市場は、NECとEMCともにシェアが10%に達していないのが実情。EMCに関しては、日本以外の国でトップシェアを獲得しているが、なかなかシェアを拡大できない状況だ。しかし、「08年度には両社合計で(トップシェアの)日立を抜く」(川村敏郎副社長)と言い切る。
トップを獲得するためには、07年度に市場に投入する次世代エントリーモデルをどれだけ拡販できるかがカギといえそうだ。
NEC(矢野薫社長)と米EMC(ジョー・トゥッチ会長兼社長兼CEO)がストレージ分野での製品開発や販売で提携を拡大した。国内売上規模は、08年度(09年3月期)に両社合計で現状の1.5倍にあたる600億円を見込む。来年度早々には、エントリーモデルで次世代製品の市場投入を計画。国内ストレージ市場で08年度までにトップシェアを狙う。(佐相彰彦●取材/文)
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