その他
SIPサーバーメーカー アプリ連携 プラットフォーム開発へ
2007/02/05 14:53
週刊BCN 2007年02月05日vol.1173掲載
SIP(VoIP応用の通話制御プロトコル)サーバーメーカー各社が、IPテレフォニーシステムと業務アプリケーションサービスとの連携を強化するプラットフォームの開発に乗り出した。企業内の音声IP化は、通話が主要業務のコンタクトセンターで導入が進んでいるものの、一般オフィスではその動きが鈍い。そこで、さまざまなアプリケーションサービスが簡単につながる環境を整えることで、ITとIPの融合を促進する機運が高まってきた。
一般オフィスへの導入を促進
IPテレフォニー事業を拡大
IPテレフォニーシステムと業務アプリケーションサービスの連携を強化するプラットフォームを、他社に先駆けて市場投入するのが日本アバイアだ。アプリケーションベンダーのERPやCRMをカスタマイズ不要でIPテレフォニーシステム上でも動かせるミドルウェアを3月に市場投入する。
同ミドルウェアは、SOA(サービス指向アーキテクチャ)ベースで開発。藤井克美社長は、「このミドルウェアにより、販売代理店のSIerにとってはIPテレフォニーシステムが売りやすくなる。SIPサーバーやIP電話機の販売増につなげ、国内でリーダーとなりえるシェアを獲得する」としている。
NECでも、ミドルウェアの開発を進めている。通信事業者向けに開発したネットワーク基盤ソフト「NC7000」の技術を、「法人向け製品での応用を模索している」(保坂岳深・企業ネットワークソリューション事業部長)という。また、IPテレフォニー関連製品「UNIVERGE(ユニバージュ)」で「パートナープログラム」を体系化し、アプリケーションベンダーとのアライアンスを強化する。参加企業は、06年度(07年3月期)末に1000社になる見通し。IPテレフォニー事業を、「2ケタ成長の軌道に乗せる」と構想を語る。
NGNによるIPテレフォニーの需要増に関して、日立製作所でも「08年度以降、法人市場でNGN対応のシステム構築ニーズが高まってくるだろう」(秋葉俊夫・ネットワークソリューション事業部CommuniMax販売支援センタ主任技師)とみている。そこで、SIPサーバーとアプリケーションをつなげる製品開発を視野に入れており「アダプタなどアプライアンスを開発するのも1つの策」とみる。同社では、情報・通信グループの売上高を10年度(11年3月期)に5000億円まで引き上げる方針を掲げる。05年度は、同グループの売上高が3400億円。そのうち、法人向けIPテレフォニー事業が1200-1300億円だった。10年度の売り上げ達成には、法人へのシステム提供拡大がカギを握る。
沖電気工業は、コンタクトセンターシステム「CT Stage」とSIPサーバー「SS9100」の統合・融合化を進めており、「来年度早々には、両製品を組み合わせたソリューションを提供する」(小出勝義・マルチメディアメッセージングカンパニープレジデント)計画だ。コンタクトセンターシステムでは、このほど新製品として「CT Stage5i」の出荷を開始。同製品は、「一般オフィス向けSIPサーバーとシームレスに連動する」という。国内マーケットでトップシェアを誇るコンタクトセンターへのPBX販売をベースに、一般オフィスへのSIPサーバー販売を増やしていく考えだ。
富士通では、アプリケーションサービスとの連携を強化するミドルウェアやプラットフォームの開発について現段階では未定であるものの、「通信事業者がNGNサービスを提供するようになれば、そのサービスを使った業務最適化などをメーカーとしてユーザー企業に提案していかなければならない」(大森秀晃・サービスビジネス本部ネットワークサービス推進部プロジェクト課長)とし、IPテレフォニーとアプリケーションサービスの連携モデル「オフィス・イノベーションモデル」のラインアップ充実を図る。なかでも、「最近は、モバイルに対してユーザー企業の関心が高いことを踏まえ、携帯電話とIP電話の機能を搭載した『デュアル端末』ベースのアプリケーションサービスを増やす」方針だ。
IPテレフォニー市場を取り巻く環境は、対応アプリケーションが限られている点から、一般オフィスの導入機運は鈍い。しかし、通信事業者がNGN構築を進め、応用アプリケーションを提供するようになれば、IPテレフォニーの導入メリットが明確になるとの見方もある。各社がアプリケーション連携プラットフォームの開発を進めるのは、IPテレフォニーのユーザー企業を囲い込むとの狙いがあるからだ。
SIP(VoIP応用の通話制御プロトコル)サーバーメーカー各社が、IPテレフォニーシステムと業務アプリケーションサービスとの連携を強化するプラットフォームの開発に乗り出した。企業内の音声IP化は、通話が主要業務のコンタクトセンターで導入が進んでいるものの、一般オフィスではその動きが鈍い。そこで、さまざまなアプリケーションサービスが簡単につながる環境を整えることで、ITとIPの融合を促進する機運が高まってきた。
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