その他
サン・マイクロシステムズ ISV製品への移植を加速させる
2007/03/05 21:10
週刊BCN 2007年03月05日vol.1177掲載
サン・マイクロシステムズ(末次朝彦社長)は、x86版OS「Solaris 10」の普及を加速させる。2年前に開始し、相次ぎ2回実施した独立系ソフトウェア/ハードウェアベンダー(ISV/IHV)向け開発支援プログラムで、x86版OS搭載製品を約180種類にするなど、国内業務アプリケーションの「Solaris 10」化に成功した。来年度(2008年6月期)は、3回目となる同プログラムの実施や、x86版OS搭載製品の早期出荷強化のほか、米本社が行っているウィンドウズ環境への移行や共同顧客開拓などを推進する計画だ。世界で戦略的に提携するAMDやインテルの日本法人などと協力し、x86市場でのシェア拡大と「Linux」対抗戦略を進める。国内で競合他社の“草刈り場”とされ、一度失いかけた自社OS市場の回復を狙う。
x86版「Solaris 10」で失地回復
“草刈り場”の汚名返上へ 米本社のパートナー施策、順次導入
同社は05年9月と06年3月の2回にわたって、x86アーキテクチャ市場で自社OS「Solaris 10」を普及させるために、「AMD Opteronプロセッサ」搭載サーバーをISV/IHVに無償提供する開発支援プログラム「Solaris 10 Moves Ahead」を実施した。外資系を中心に国内外ベンダー135社のソフト174製品を「Solaris 10」に移植。今年度中には200製品まで拡大し、来年度以降に再度同プログラムを実施して、高いシェアを獲得している国産ソフトの移植を促進させる方針だ。
一時期、「Solaris OS」は、自社プロセッサ「SPARC」版OSの開発・販売に傾注していた。しかし、自社プロセッサにこだわる間に、既存「Solaris」市場にLinuxやオープンソースOSの進出を許した経緯がある。
このため05年2月に「Solaris 10」を無償化したのを機に、国内でも開発者の増加とアプリケーションの拡充を図り、自律的に成長しシェアを拡大するLinux市場に対抗し、失地回復する取り組みを開始した。
その突破口として、業務ソフトなどの市場に狙いを定め、x86版「Solaris 10」の移植を促進。ハード販売パートナーなどが、UNIX環境の買い替えやLinux環境からのリプレースを強化し始めた。
AMDやインテルのx86製品の国内市場は拡大の一途で、「UNIXやLinux環境からのリプレース需要が見込める。既存の『Solaris』顧客に対するx86への移行も促進でき、新たな戦略を打ち出す時期にきている」(伊藤敬・ISVアライアンス統括部長)と、セキュリティ強化や「日本版SOX法」対応、サーバー統合に焦点を当てた戦略を作成中だ。米本社は1月、x86版「Solaris 10」のシェア拡大とLinux対抗を目的として、新たなセキュリティ強化と仮想化技術を追加、近く日本市場にも投入される見通しである。
将来的には、開発者支援プログラム「Sun Developer Connection(SDC)」のうち、ISV向けで実施していないプログラムを、人的体制が整い予算化でき次第、日本でも行う計画。「日本市場で実施して効果がありそうなプログラムを提供したい」(増月孝信・デベロッパーマーケティング部主幹部長)と、Linux環境からの移行や移植の技術支援ツールの提供、移植ソフトのパフォーマンステスト環境の提供、ISVや販売パートナーとの共同プロモーションなどを取り入れる方針だ。
国内のLinux環境で、たとえばLinuxOS「Red Hat」では、最新バージョンのソフトだけにバグ修正を提供している。しかし、ユーザー企業ではバグ修正のために最新バージョンへのアップグレードを余儀なくされていた。また、国内のLinuxなどオープンソースOS環境に対するサポート不足が、市場拡大をはばむ理由として指摘されている。
その点、「Solaris 10」は無償ライセンスで低コストのサポートが提供できる体制が整備され、「Red Hat」に比べコストが半分ですむといわれる。サンがパートナーを支援する人的体制と、ISVや国内大手ハードメーカーを巻き込み製品流通網を構築できれば、オープンソースOS環境を凌駕し、ウィンドウズに相対する市場を形成することも不可能ではないだろう。
サン・マイクロシステムズ(末次朝彦社長)は、x86版OS「Solaris 10」の普及を加速させる。2年前に開始し、相次ぎ2回実施した独立系ソフトウェア/ハードウェアベンダー(ISV/IHV)向け開発支援プログラムで、x86版OS搭載製品を約180種類にするなど、国内業務アプリケーションの「Solaris 10」化に成功した。来年度(2008年6月期)は、3回目となる同プログラムの実施や、x86版OS搭載製品の早期出荷強化のほか、米本社が行っているウィンドウズ環境への移行や共同顧客開拓などを推進する計画だ。世界で戦略的に提携するAMDやインテルの日本法人などと協力し、x86市場でのシェア拡大と「Linux」対抗戦略を進める。国内で競合他社の“草刈り場”とされ、一度失いかけた自社OS市場の回復を狙う。
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