この製品群の第1弾として、近く、基幹製品として、ITシステムを監視でき、運用上の問題点を迅速に解決する既存製品の後継版「System Center Operations Manager 2007」をリリースする。また、各開発部門が運用上、頻繁に発生し、しかも問題になる可能性のある事柄の「知識」を集約した「管理パック」の無償ダウンロードを開始する。同じような管理製品は、オラクルなど競合他社にもあるが、1セット10万円以上する。マイクロソフトの「管理パック」は敷居が低く導入しやすいという。
これに加え、今夏には、別の既存製品の後継版として、パソコンにOSを導入する際に簡単に確実に配布したり、セキュリティ設定や管理機能などが付いた「System Center Configuration Manager 2007」を出す。2製品と「管理パック」は「当面、大企業を対象に個別提供する」(古川勝也・シニアプロダクトマネージャ)予定だ。
■SMB向け運用管理製品を投入
国産のシステム運用管理製品といえば、すでに日立製作所の「JP1」や富士通の「SystemWalker」、NECの「WebSAM」などが高いシェアを獲得している。主に中堅・大企業向けに浸透しているが、最近では機能を限定したSMB向け製品の提供を拡大している。マイクロソフトのWindows環境は、特にSMBで採用されているため、「新たなチャレンジ」(古川マネージャ)となる製品として、6月にSMB向け運用管理製品として「System Center Essentials 2007」を投入する。既存製品では補えなかったSMB領域を新製品でカバーする。
Essentials 2007は、パソコン50-500台を保有するSMBや大企業の事業所・支店を対象にした新製品。旧「Operations Manager」と「Windows Server Update Service(WSUS)」の機能を統合し、運用管理者数が不足するSMBなどで簡単に利用できるシンプルな構成にしている。この製品は、ASP的な運用ができるため、「ISPやSMBにシステムを提供するSIerに対し、保守ビジネスとしての利用を促す」(古川マネージャ)計画だ。