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国産スイッチメーカーに勝機!? “日本ならでは”で海外勢を追撃
2007/04/09 14:53
週刊BCN 2007年04月09日vol.1182掲載
国産スイッチメーカーに勝機はあるか──。アライドテレシスやアラクサラネットワークスなど国内ネットワーク機器メーカーが、データと音声、映像を中心とした“トリプルプレイ”による新しいビジネスモデルの構築や、通信事業者向け次世代通信網ビジネスで攻勢をかける動きにでている。大学や自治体で映像関連ニーズが徐々に高まっていることや、NTTが“NGN構想”を掲げて、世界屈指の通信事業者として変貌を遂げようとしていることが背景にある。世界で類をみない“日本ならでは”の製品で新ネットワークを提案。多くのシステム案件を受注することで、国内市場で主導権を握るシスコシステムズなど大手の海外勢を追撃する。
新ビジネスモデルやNGNで攻勢
アライドテレシスグループは、新しいビジネスモデル「IP-GSP(グローバル・サービス・プロバイダ)サービス」を中核として事業拡大を図る。同サービスを2006年夏から提供を開始。昨年度(06年12月期)までは、成長路線を敷くための製品開発や市場開拓が中心だったが「07年度からビジネスを拡大させる基盤が整った」(アライドテレシスホールディングスの大嶋章会長兼CEO)としている。
IP-GSPとは、データと音声、映像配信の“トリプルプレイ”に適したシステム構築を追求するサービスで、ネットワーク機器によるネットワークインフラの構築からユーザー企業がトリプルプレイシステムを運営できるコンサルティングまでを提供。現段階では、大学など教育機関をはじめマンションなどの集合住宅、ホテルなどで需要が増えているという。同サービスの提供地域として、これまでは欧米が対象だったが、「将来的には、日本市場でも需要が出てくるだろう」と分析。それを受けて、法人市場で全国に支店や支社など多くの拠点を持つ大企業に対してもIP-GSPベースの新ネットワークシステムを提案していく。「日本市場では、ネットワークシステムのリプレースが進みつつある。そこで、“IPトリプルプレイレディ”を切り口にスイッチなどネットワーク機器を販売していく」戦略でリプレース需要を囲い込む方針だ。
アラクサラネットワークスでは、今年後半から始まるといわれる通信事業者向け次世代通信網システムの構築が「将来的にはビジネス拡大の追い風になる」(廣澤治正・営業本部長)とみている。06年度(07年3月期)後半から“NGN向け製品”と銘打った基幹スイッチなどネットワーク機器を市場投入。こうした動きの延長として、NTTが実施しているフィールドトライアルのプロジェクトに参画している。業績については、「今年度は、後半からのビジネスになるため金額については前年度と比べて大きな伸びが期待できない。しかし、来年度は成長する」と見込んでいる。また、法人市場では「ミッションクリティカルな製品提供を徹底する」としており、今年度の売上高は前年度比30%程度の増加を見込む。
基幹スイッチであるL2/L3の国内市場は、シスコシステムズが50%以上のシェアで圧倒的な地位を築いている。また、エクストリームネットワークスやジュニパーネットワークスなどは通信事業者を含めたサービスプロバイダ市場で上位シェアを確保している。
一方、国内スイッチメーカーは厳しい状況にある。アライドテレシスはL2/L3スイッチで2位の座を維持していたものの、基幹スイッチのサブシステムをメインに販売してきたため、低価格を武器とした台湾や中国のスイッチメーカーにシェアを奪われつつある。また、アラクサラネットワークスは04年10月設立の新興企業ということもあり、なかなかシェアを伸ばせていないのが実情だ。
そこで、両社とも抜本的な事業拡大策を実行。シェアについては、アライドテレシスグループが「L2/L3市場で2位を維持していく」(大嶋会長)と断言。これに、IP-GSPサービスによる新しいビジネス領域への本格参入で市場での主導権を握っていく。アラクサラネットワークスは、設立当初に掲げていたシェア30%を「獲得できる素地は固まった」(廣澤本部長)としている。
これまで、スイッチをはじめとした国内ネットワーク業界は、海外勢による攻勢にさらされてきた。国内メーカーによる強気の姿勢が業界にどのような影響を及ぼすかに注目が集まりそうだ。
国産スイッチメーカーに勝機はあるか──。アライドテレシスやアラクサラネットワークスなど国内ネットワーク機器メーカーが、データと音声、映像を中心とした“トリプルプレイ”による新しいビジネスモデルの構築や、通信事業者向け次世代通信網ビジネスで攻勢をかける動きにでている。大学や自治体で映像関連ニーズが徐々に高まっていることや、NTTが“NGN構想”を掲げて、世界屈指の通信事業者として変貌を遂げようとしていることが背景にある。世界で類をみない“日本ならでは”の製品で新ネットワークを提案。多くのシステム案件を受注することで、国内市場で主導権を握るシスコシステムズなど大手の海外勢を追撃する。
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