その他
正念場を迎えるNIer 今年度、大手が岐路に立つ
2007/05/28 14:53
週刊BCN 2007年05月28日vol.1188掲載
国内ネットワーク機器市場の成熟にともない、NIer(ネットワークインテグレータ)が正念場を迎えている。NIベースのサービスモデルを追求するネットワンシステムズ、SIerと合併した三井情報(旧ネクストコム)、日本ユニシスへの傘下入りを決断したネットマークスなど、今年度(2008年3月期)は大手3社が大きく方向転換、NIerとしての岐路に立つ。果たして、どのベンダーのビジネスモデルが最適なのか、検証してみる。(佐相彰彦●取材/文)
最適なビジネスモデルとは
NIerトップのネットワンシステムズは、ネットワークシステム専業のノウハウを生かしたビジネスモデルをとことん追求する。機器の販売からサポートを重視したサービスモデルへの転換を図ることに加え、ネットワークベースのアウトソーシングを拡大するための基盤を整備。さらにコンテンツ・アプリケーションまで事業領域を広げていく方針だ。澤田脩社長は、「NIerとSIerの境界がなくなりつつある。今後はアプリケーションサービスを視野に入れることに重点をおき、ネットワークが“システム”として機能することを意識しなければならない」としている。
同社は、ネットワークに加えてサーバーやストレージ、IP電話などのシステム運用とセキュリティの管理などをIPネットワーク経由で行う総合システム運用サービス拠点「エキスパートオペレーションセンター(XOC)」を設置している。
現段階では、ネットワーク管理を行う「ネットワークオペレーションセンター(NOC)」と統合的なセキュリティサービスを提供する「セキュリティオペレーションセンター(SOC)」によるサービス提供にとどまっているが、今年度第1四半期までにサーバーシステム管理「サーバー/ストレージオペレーションセンター(SSOC)」とVoIP関連「Voiceオペレーションセンター(VOC)」の本格稼働で統合サービスを展開。同センターを中核として、「2010年度をめどにマーケットリーダーとして市場を創り出す」ことを掲げる。
ネクストコムは、今年4月1日付でSIerの三井情報開発と合併し、「三井情報」として再スタートを切った。これにより、ネットワーク分野のインフラ構築や保守に加え、コンピュータ分野でシステム構築や保守、内部統制を中心としたコンサルティングまで製品・サービスの幅を広げた。増田潤逸社長は、「(合併で実現した)ソリューション体系で、2010年度までに新しいビジネス基盤を整える」という。具体的には、ネットワークインフラをベースに、VoIPやCRMシステムなどを組み合わせた「総合的コミュニケーションソリューション」やシステムの運用・保守・管理を提供する「次世代ICT基盤サービス」を展開していく。コンピュータシステム構築ベースのビジネスについては、内部統制を可視化する製品・サービスやアプリケーションサービスの追求を徹底する。
「両社の業績を単純合算すると、昨年度の時点で営業利益が6.2%。これを、10年度に9.0%に引き上げることを目指す」としている。
ネットマークスは、今年5月31日までに日本ユニシスによるTOB(株式公開買い付け)が控えているため、現段階で今後の方針を掲げていない。日本ユニシス傘下後に発表することになるとみられるが、「グループ全体でメリットとなるような方向に進むことは間違いない」(関係者)としている。
ネットワンシステムズがネットワークを中核としてコンピュータ領域まで拡大、ネクストコムは三井情報としてSIとNIの融合、ネットマークスがSIerを親会社とするネットワークビジネスと、今後は大手NIer3社がそれぞれネットワークの枠から外れたビジネスを手がけることになる。
ネットワーク機器の販売だけでは“食っていけない”時代が到来した。そんななかで、今年度から大手3社が独自の道を歩み始めた。NIerとして生き残るのに最適なビジネスモデルとは何なのか。3社の動きから目が離せない。
国内ネットワーク機器市場の成熟にともない、NIer(ネットワークインテグレータ)が正念場を迎えている。NIベースのサービスモデルを追求するネットワンシステムズ、SIerと合併した三井情報(旧ネクストコム)、日本ユニシスへの傘下入りを決断したネットマークスなど、今年度(2008年3月期)は大手3社が大きく方向転換、NIerとしての岐路に立つ。果たして、どのベンダーのビジネスモデルが最適なのか、検証してみる。(佐相彰彦●取材/文)
続きは「週刊BCN+会員」のみ
ご覧になれます。
(登録無料:所要時間1分程度)
新規会員登録はこちら(登録無料)
ログイン
週刊BCNについて詳しく見る
- 注目のキーパーソンへのインタビューや市場を深掘りした解説・特集など毎週更新される会員限定記事が読み放題!
- メールマガジンを毎日配信(土日祝をのぞく)
- イベント・セミナー情報の告知が可能(登録および更新)
SIerをはじめ、ITベンダーが読者の多くを占める「週刊BCN+」が集客をサポートします。
- 企業向けIT製品の導入事例情報の詳細PDFデータを何件でもダウンロードし放題!…etc…