その他
インターネット協会 「ネット犯罪」監視へ
2007/06/04 14:53
週刊BCN 2007年06月04日vol.1189掲載
インターネット犯罪を監視する民間主導機関がスタートした。財団法人インターネット協会内に設置されたインターネットホットラインセンターがそれで、今年春、世界25か国・地域で組織する国際機構INHOPE(インターネット・ホットライン・プロバイダーズ)に加入した。日本を代表する監視機関として児童ポルノ、薬物、爆発物などに関する情報発信サイトを24時間体制で情報収集し、警察庁と協力することになる。
世界25か国の横断組織に加盟
警察庁などと協力体制
インターネット協会は1991年に発足したネットワーク協議会を母体に、01年7月、総務省と経済産業省が共同所管する財団法人として設立された。インターネットに関する最新技術動向の調査やネット利用のマナーなど普及啓蒙活動を展開してきたが、公序良俗に反する有害情報がネット上に氾濫する事態を重視して、昨年6月、「インターネットホットラインセンター」を開設していた。
同センターは当初、有害情報を収集し、インターネット・プロバイダやWebサイト運営管理者にコンテンツの削除など適正な対応を要請するにとどまっていた。児童ポルノや薬物、爆発物、武器およびテロ活動などインターネットを悪用した国際的な違法行為の防止に資する情報収集と分析が必要と判断した。
同様の取り組みは、警察庁が国際犯罪の捜査の一環として「サイバーパトロール」を先行実施しているが、監視体制が十分とはいえない。インターネットに膨大な量の情報が流通していることに加え、海外に設置されたサーバーに蔵置されているものがあること、コンテンツ自体の不正コピー、改ざん、削除などが容易といった背景があるためだ。
こうした違法・有害情報に的確に対応するには、広くインターネット利用者の協力を得て違法・有害情報を収集する必要がある。インターネット協会には国内の主要なインターネット・プロバイダ、Webサイトの運営管理事業者が参加していることから、世界25か国の民間機関が相互に情報を交換することでより効率的な情報収集・分析が可能となる。
今年春、インターネット協会が日本を代表する民間主導の監視機関として世界25か国で構成するインターネット犯罪監視機構INHOPEに加盟したのをきっかけに警察庁の委託を受けるとともに、法務省所管の人権擁護機関や文部科学省・経済産業省所管の知的財産保護機関などと協力体制を整えた。
仮にインターネット上における流通が刑罰法規に違反する疑いがあると同センターが判断した情報、特定の犯罪に関連する情報(法禁制品の販売に関する情報等)その他の犯罪関連情報、自殺関連情報等については、警察庁に情報提供する。また人権侵害、知的財産権侵害等にかかる通報など他の機関・団体において処理することが適当なものについては、専門的な対応を行っている関係機関・団体に対して情報提供することとなっている。
判断基準については、刑法や児童買春禁止法、覚せい剤取締法、銃砲刀剣類所持等取締法など国内法と照らして、弁護士や大学関係者など12人で構成するホットラインセンター運用ガイドライン検討協議会が規定する。
同センターは運営委員4人のほか、インターネット協会に専門の情報収集・監視員5人、法律アドバイザー3人を置き、公序良俗に反する軽度なコンテンツについてはプロバイダに対応を求め、犯罪性が強いと判断した場合は当該所管官庁が評価するかたちとなる。
インターネットホットラインセンターによると、過去6か月間に違法情報として通報したのは約2万3000件。そのうち、わいせつ犯罪関連が約1万7000件、振り込め詐欺関連が約1700件、薬物関連が約730件、自殺誘引関連が約250件に達しているという。ネット犯罪は、今後も増加の一途をたどるとみられる。同センターには犯罪阻止装置としての役割が期待される。
インターネット犯罪を監視する民間主導機関がスタートした。財団法人インターネット協会内に設置されたインターネットホットラインセンターがそれで、今年春、世界25か国・地域で組織する国際機構INHOPE(インターネット・ホットライン・プロバイダーズ)に加入した。日本を代表する監視機関として児童ポルノ、薬物、爆発物などに関する情報発信サイトを24時間体制で情報収集し、警察庁と協力することになる。
続きは「週刊BCN+会員」のみ
ご覧になれます。
(登録無料:所要時間1分程度)
新規会員登録はこちら(登録無料)
ログイン
週刊BCNについて詳しく見る
- 注目のキーパーソンへのインタビューや市場を深掘りした解説・特集など毎週更新される会員限定記事が読み放題!
- メールマガジンを毎日配信(土日祝をのぞく)
- イベント・セミナー情報の告知が可能(登録および更新)
SIerをはじめ、ITベンダーが読者の多くを占める「週刊BCN+」が集客をサポートします。
- 企業向けIT製品の導入事例情報の詳細PDFデータを何件でもダウンロードし放題!…etc…