仮想化編 仮想化技術の浸透は、2008年の自社ビジネスに 「追い風」になるか? |
「追い風になる」が8割効率化を切り口に提案

ベンダー78社のトップに回答を求めたアンケートを集計したところ、仮想化の浸透が「追い風になる」との答えが80%に達した。仮想化の火付け役であるブレードサーバーを販売する販売系SIerやディストリビュータをはじめとして、多くのビジネス領域で仮想化がプラス要因になるようだ。
ブレードサーバーを中心に仮想化関連の製品・サービスを提供する販売系SIerの多くが、ニーズの強さを07年で実感したとみられる。それを受け、事業拡大を図るための体制強化を図っている状況だ。販売系SIerの動きにともない、ブレードサーバーの卸事業を手がけるディストリビュータでは、販売代理店とのパートナーシップの深耕を視野に入れており、提案力の向上に力を注いでいる。
開発系SIerでは、プラットフォーム系のシステム基盤ビジネスに強いベンダーにとっては最も得意な領域と捉えている。直接的にはビジネスを行っていないものの、SOA(サービス指向アーキテクチャ)を推進していく技術のひとつとして、マイナスにはならないとみているベンダーもいる。さらに、SaaS事業に着手するうえで自社データセンターの効率化やコスト削減に役立つという回答も目立った。ISVにとっては、仮想化環境がアプリ開発の壁を取り払うという。
ネットワーク系販社では、データセンターによる仮想化システムの構築にともない、ネットワークの改善が必要との判断で追い風になるとしている。しかも、今後はサーバーの仮想化だけでなく、ストレージやネットワークの仮想化ニーズも出てくるとみており、大きなビジネスチャンスと捉えている。
一方、「追い風にならない」と答えたベンダーは既存ビジネスを圧縮する危険性を憂えている。しかし、ビジネスモデルの改善や転換を求められている状況下では、仮想化を既存ビジネスの領域を広げるひとつとして捉えたほうが得策といえよう。さらには、環境対策の観点からも仮想化が主流になるとの見方もある。
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