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ネットワーク事業の躍進なるか!? 日本HP、販売代理店を大幅拡充
2008/03/17 21:10
週刊BCN 2008年03月17日vol.1227掲載
日本ヒューレット・パッカード(小出伸一社長)は、ネットワーク事業の拡大に本腰を入れ始めた。ブレードサーバーで獲得した販売代理店からネットワーク機器の「プロカーブ」を販売するサイクルを構築。1ケタ台だった販売代理店数を大幅に増やした。販売面での強化を図ることで今年度(2008年10月期)成長率50%増を目指す方針だ。果たして、ネットワーク事業を拡大させることはできるのか。(佐相彰彦●取材/文)
成長率50%増の維持へ
■45社の販売代理店を確保
同社は、ワールドワイドのネットワーク関連機器市場でシスコシステムズに次ぐNo.2の実力を持つ。昨年度は、ローエンドモデルを中心に低価格キャンペーンを進めたことで、次々とリプレース需要をキャッチ。売上高は、前年度比45%増を記録した。
しかし、日本市場において「プロカーブ」は強いとはいえない。市場でのシェアが1ケタ前半で推移しており、上位5社以内に入っていないからだ。この点についてプロカーブネットワーキングビジネス本部の芝原房夫本部長は、「一昨年度から製品ラインアップを増やしたことが功を奏し、昨年度は売上高で前年度比20%増になった」と自信のほどをみせる。
ある程度の製品ラインアップが揃ったことから昨年度、同社は思い切った戦略に乗り出した。国内市場で上位シェアを持つ国産メーカーのアライドテレシスを意識し、昨年6月に全カテゴリーで価格を引き下げた。さらに、プロカーブを使い続けている限り、故障時に良品と取り替えるという「ライフタイム保証」をつけて、「コストやサポート面で他社に負けない」としている。
日本HPはネットワーク事業の成長路線を敷くため、今年度から販売代理店の増加に乗り出している。これまで6社だった代理店数を45社まで一気に引き上げているのだ。そのほとんどがブレードサーバー部門で獲得した代理店だ。これまでブレードサーバーの販売代理店は、2次店として6社を通じて製品を仕入れてきた。販売に対するコミットがない反面、ネットワーク部門とのパートナーシップが希薄だった。「今年度に入ってから、各社を回って話し合いを進めた」。これにより、1次店として販売契約を結ぶことにこぎ着けたのだ。
■5年後に150億円を狙う
だが、1次店が増えたからといって拡販できるかどうかは保証がない。新規で獲得した代理店の多くはブレードサーバーの販売に強いSIerやディストリビュータであるため、ネットワーク機器をベースとしたNI(ネットワークインテグレーション)を提供できるかは未知数だからだ。だが、芝原本部長は「ネットワーク機器の販売を新規に着手するパートナーが最適」と言い切る。というのも、以前から1次店だった6社は日本HPと販売契約を結ぶ当時、ネットワーク事業に新規参入を図ろうとするベンダーばかりだったからだ。同社では、「当面はブレードサーバーなどコンピュータシステムを提供するうえで、オプション的な意味合いでネットワーク機器を売るという位置づけで構わない」としている。オプションとはいえ、拡販するからには知識が必要だ。日本HPが教育制度などの拡充で「十分に支援していく」という。代理店がサーバーシステムとネットワークインフラの両方を提供できるベンダーとして成長することに、日本HPが少なからず寄与するわけだ。
同社では、このほどミッドレンジモデルでデータと音声、映像の統合が可能なボックス型のスイッチ「2610」シリーズを市場投入しているほか、ネットワークの一元管理が可能なソフトとして「プロカーブ・マネージャー・プラス」を提供している。継続的な製品ラインアップの拡充と、販売代理店の増加で「今年度は1.5倍の売上高増加を果たす」としている。また、5年後には150億円の売り上げを目指しており、「国内市場で10%のシェアを獲得する」と意欲を燃やしている。
ワールドワイドの市場で強いHPが日本でのビジネス拡大に本腰を入れたということは、競合他社にとって脅威的な存在になる可能性を十分に秘めている。
日本ヒューレット・パッカード(小出伸一社長)は、ネットワーク事業の拡大に本腰を入れ始めた。ブレードサーバーで獲得した販売代理店からネットワーク機器の「プロカーブ」を販売するサイクルを構築。1ケタ台だった販売代理店数を大幅に増やした。販売面での強化を図ることで今年度(2008年10月期)成長率50%増を目指す方針だ。果たして、ネットワーク事業を拡大させることはできるのか。(佐相彰彦●取材/文)
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