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<CHANGE THE BUSINESS ! IBMのサービスマネジメント戦略>最終回.日本はチャレンジあるのみ
2008/06/30 14:53
週刊BCN 2008年06月30日vol.1241掲載
Tivoliを中心としたカンファレンス「Pulse2008」でサービスマネジメント戦略を打ち出した米IBM。今後は、コンピュータシステムの管理だけでなくネットワークやファシリティなどを網羅したトータルなマネジメントの重要性を訴えたわけだが、IBMが掲げるサービスマネジメントははたして日本で普及するのだろうか。
確かに、コンピュータシステムのみを管理していれば企業は成長するかといえば決してそうではない。企業が顧客に対してサービスを提供していくためには、自社の現状を把握することは必須だ。だが、これまでの管理手法とは異なるサービスマネジメントが一歩先を行く考えだとしても、長年の風習や文化を抜本的に変えることはなかなか難しいものだ。独特とされることの多い日本企業ならば、変革するには相当な時間がかかるのではないか。
日本での普及に関して、日野義久・ソフトウェア事業Tivoli事業部長は、「時間がかかるのは事実」と認める。しかし、「チャレンジあるのみ」と訴える。というのも、カンファレンスに参加した販売代理店のほとんどは「日本でサービスマネジメントを普及させることに対してポジティブな意見が多かった」ためだ。日本では、Tivoliが「運用管理ソフト」と表現されるが、サービスマネジメントを提供するものと考えればビジネス拡大の可能性を秘めている。こうした新しい認識を販売代理店の多くが持ったようだ。
今後の展開としては、「ユーザー企業を対象として積極的に全国各地でサービスマネジメント関連のセミナーを開催したい」としている。それも、技術的な説明会ではなく、ユーザー企業の戦略につながる内容を提供する方針だ。「参加対象をCIOに定め、当面は企業のCIOと接点を持てるような環境を整える」。サービスマネジメントを訴えていくことから、「セミナー開催の際は、あえてTivoliの冠を使わない」考えだ。
販売代理店への支援策については教育制度を拡充。現状で20社程度の1次代理店に対して、「サービスマネジメントを分かりやすく提供できるようにするため、トレーニングを徹底的に行う」方針。代理店の新規開拓に関しては、「成功事例を増やすことでビジネスの旨味を伝える」という。
これまで日本でのTivoli販売は、メインフレームへの搭載など、いつの間にかシステムのなかに導入されているというケースが多かった。そのため、販売代理店にとっては担ぐ重要性が薄かったのも事実。ところが、サービスマネジメントという概念を打ち出したことで、Tivoliが重要な位置を占めるようになった。ITを取り巻く環境は、アプリケーションサービスの拡充に向けたシステム構築で需要が掘り起こせるものの、社内インフラ増強という点では投資を抑えているのが現状。「インフラに目を向けさせ、現状を打破する」。これが日本IBMのサービスマネジメントを普及させる狙いだ。(おわり)
Tivoliを中心としたカンファレンス「Pulse2008」でサービスマネジメント戦略を打ち出した米IBM。今後は、コンピュータシステムの管理だけでなくネットワークやファシリティなどを網羅したトータルなマネジメントの重要性を訴えたわけだが、IBMが掲げるサービスマネジメントははたして日本で普及するのだろうか。
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