その他
13社で共同プロジェクト発足 メールセキュリティソリューション提供
2008/08/04 14:53
週刊BCN 2008年08月04日vol.1246掲載
販社やセキュリティメーカー13社がメールセキュリティについての共同の提案として「Total Mail Risk Management & Solution」の提供を開始した。13社もの多くの企業が「対等」の立場で協業し、プロジェクト展開するのはきわめて珍しい。発起人の日本システムディベロップメントでは、同プロジェクトによるソリューション提供をきっかけにして、受託開発やSIの新規需要を取り込みたい考え。同社の冲中一郎社長に話を聞いた。(鍋島蓉子●取材/文)
13社が対等な立場で協業 営業力強化は共通の思い
プロジェクトに参加している販社およびメーカーは、FISソリューションズ、エルネット、オージス総研、東京海上日動火災保険、日商エレクトロニクス、日本PGP、フォーバルクリエーティブ、丸紅インフォテック、マカフィー、ミラポイントジャパン、メッセージングテクノロジー、クリアスウィフト、日本システムディベロップメントの13社。提供するソリューションは、メールサーバー/アーカイブ、ウイルス/スパム対策、メールフィルタリング、メール暗号化、メール一斉送信、大容量ファイル送信、情報漏えい保険の7種類となっている。
今回の共同プロジェクトは、日本システムディベロップメントのプロダクトソリューション営業本部が企画立案したもの。それまで同営業本部は、製品を単体で販売する部隊だった。冲中社長は「全社売り上げのうち(同営業本部の実績は)6%ほどしかなかった。独立部隊としての存在感を示すためにも、20%は占めないと」と、共同プロジェクトを立ち上げた意図を明かす。同社はもともと受託開発事業がメインで、営業利益率20%を誇るシステム開発会社だ。そこで、これまで行なってきたプロダクト単体の販売法ではなく、顧客のメールに関するさまざまなニーズを聞いたうえで柔軟に製品を組み合わせる、ソリューションとしての販売法を提供し、新規顧客へのSI案件や受託開発などにつなげようとの狙いから協業を開始した。
同社がメール暗号化用のPGP製品を販売していることから、顧客の課題などをもとに関連ソリューションを結集した。今年1月に企画し、他の販社に呼びかけたところ「各社ともそれぞれに自社製品を補完しあい、ソリューションとして提供することで、営業面の強化につなげたいという思いがあった」(冲中社長)。わずか2か月ほどで現在のスキームが整い、4月にキックオフを行なったが、本格的にソリューション提供を開始したのは7月15日から。「2-3社が集まってアライアンスを組むのはよくあることだが、13社もの販社やSIer、メーカーが対等な立場でプロジェクトを立ち上げたのはあまりないこと」と冲中社長。窓口は一本化せず、各販社が窓口となり提供する。また、バックヤードの営業面、技術面ではノウハウを生かし13社で連携を行なう方針だ。
「一生客」プラスアルファを 水平型営業の展開を模索
前述のように、日本システムディベロップメントでは本プロジェクトから営業力を強化していき、新規顧客へのSI、受託開発の取っ掛かりとして、拡販していきたい考えだ。同社は大手金融など同一顧客のニーズを深耕し、案件につなげる垂直型のビジネスモデルをとっており、これが大きな強みとなっておよそ20%にのぼる高い営業利益率を達成している。「これまで20年来、システム受注をしているような『一生客』と呼ぶ顧客に支えられてきた。売り上げの70%以上が一生客からのもの。だが、今後成長していくためには垂直型のモデルを維持しながら、水平型のビジネス展開も図り、新規受注につなげる必要がある」と冲中社長は話す。技術主導で「一生客」との長いリレーションシップを通じて案件獲得を行なってきたが、水平型の案件を受注するためにも、同ソリューションを通じて営業力を強化することが重要としている。冲中社長は、新規顧客として通信や運輸といったミッションクリティカルなシステム開発案件を獲得していきたいとしている。
現在は主に大企業向けのソリューションとなっているが、今後は別の切り口でのソリューションを拡充していくことを視野にいれていて、目標として30社共同のプロジェクトにしていきたい考えだ。今秋にはプロジェクト参加全社で合同セミナーを行ない、顧客取り込みを促していく。また、その後もベンダー同士で個別のテーマに沿ったセミナーも開催予定だ。
販社やセキュリティメーカー13社がメールセキュリティについての共同の提案として「Total Mail Risk Management & Solution」の提供を開始した。13社もの多くの企業が「対等」の立場で協業し、プロジェクト展開するのはきわめて珍しい。発起人の日本システムディベロップメントでは、同プロジェクトによるソリューション提供をきっかけにして、受託開発やSIの新規需要を取り込みたい考え。同社の冲中一郎社長に話を聞いた。(鍋島蓉子●取材/文)
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