コンシューマ向けパッケージソフト販売などを手がけるジャングル(高田晃子社長)とSIerのグローバルワイズ(伊原栄一社長)は、セキュリティベンダーのG DATAとの代理店契約を結んだ。ジャングルは消費者向けパッケージ製品と中小企業向けの「マルチライセンス版製品」、グローバルワイズはサーバーで一元管理する「一括管理型アンチウイルス製品」と「一括管理型アンチウイルス+ファイアウォール製品」を、従業員500人以下の企業を中心に拡販する。
性能+価格メリット訴求で

ウイルスの危険性が広く認知されている現在、対策ソフトを導入していない企業はほとんど存在しないといってもいい状況だが、ジャングルでは「企業の中には、深く考えずにウイルスソフトを選んで導入するケースがある。ウイルスの危険性を訴えることで、検知率の高いG DATAの拡販につなげたい」(神垣卓矢・ソフトウエア事業本部営業部部長代理)と話す。
G DATA製品の強みは、99.9%という高いウイルス検知率。検知エンジンを自社で開発するのではなく、プラグ化することによって、検知率の高い他社製エンジンをその時々で変えられる仕組みを採用。二つの高検知率エンジンをミキシングすることで、高い検知率を維持している。自社エンジンを持っているアンチウイルスベンダーとしては珍しいケースだ。
ライセンス販売については、直販か流通など代理店経由かは案件ベースで判断。また価格などについても、個別の案件ごとに別途設定していく。
一方、グローバルワイズで販売する「一括管理版」は、グローバルワイズが総代理店として、パートナー経由での拡販を進める。500人以下の規模の企業に対して、機能だけでなくコストメリットも訴求していく。「乗り換えで、最大で60~40%のコストメリットがある。また、2年目以降も引き続いて割引価格で提供できる」(グローバルワイズ)としている。同社は2011年までに、30万本の販売目標を立てている。
ウイルスセキュリティソフトを販売するあるベンダーは、「いま、乗り換えによる需要が伸びている」と話す。不況を反映して、3~5年の長期に使えるライセンスで、更新価格の安価な製品に対するニーズが高まっているという。この状況を汲み取った戦略を打ち出せれば、日本ではまだ知名度の低いG DATAにも十分チャンスは生まれそうだ。(鍋島蓉子)