USB暗号化製品を発売
アルプスシステムインテグレーション(ALSI、麻地徳男社長)は、いま使用しているUSBメモリに暗号化機能を付加するソフトウェア「InterSafe SecureDevice(インターセーフ セキュアデバイス)」を8月24日に販売開始する。文部科学省のスクール・ニューディール構想を足がかりに拡販を目指し、文教市場向けに8月に発売を繰り上げたとしている。
USBメモリが絡んだ情報漏えい事件が多発している。日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)の『2008年 上半期情報セキュリティインシデントに関する調査報告書』によれば、情報漏えい経路では、USBメモリなど可搬記録媒体が紙媒体(55.2%)に次ぐ2位(10.2%)に入っている。1件あたりの漏えい人数では10.9人と、紙媒体(4.9人)の倍以上だ。セキュリティの対策状況は、調査対象組織の半数がセキュリティポリシーを策定しているものの、対策の効果に疑問を感じる企業が7割以上に上る。大容量の可搬記録媒体のセキュリティは、今、重要な課題となっている。
URLフィルタリングなど外部からの脅威を防ぐソリューションに加え、内部からの情報漏えいなどを防ぐソリューションを拡充しているALSIは、こうした状況から、USBメモリ暗号化ソフトウェア「InterSafe SecureDevice」をリリースする。
同製品は、今使っているUSBにパスワード認証や暗号化などのセキュリティ機能をもたせることで、市場に出回るセキュリティ機能付きUSBの価格と比較して3分の1から4分の1程度のローコストで情報漏えい対策ができるソフトウェアである。
簡単な登録作業でUSBメモリが管理対象媒体になり、利用履歴などの管理ができ、保存ファイルの形式を問わずすべて暗号化する。また、登録したPC以外のPCへのデータ移行を禁じる一方で、USBメモリ内での閲覧・編集は自由にできるようにした。これらの厳格なセキュリティ対策で、ウイルス感染や情報漏えいを防止しながら、コスト削減ができるのが特徴となっている。
ALSIは、文部科学省のスクール・ニューディール構想に合わせ、文教市場に向けてURLフィルタリング「InterSafe(インターセーフ)」の無制限ライセンスの提供、仮想化技術を活用したコスト抑制策、ASP/SaaSを提案。同時に、学校でのUSBメモリ経由の情報漏えいが後を絶たないことから、次なる商機としてSecureDeviceを本来の予定を繰り上げて8月に販売することを決めた」(ALSIの杉本浩信・営業統括部副部長)。このほか、大企業やISMS/Pマーク取得企業など、セキュリティ意識の高い企業・官公庁に向け拡販し、初年度(10年3月期)に5万ライセンスの販売で30億円の売り上げを目指す。(鍋島蓉子)