ERP開発のNTTデータビズインテグラル(中山義人社長)は、準大手・中堅向けERP製品の拡充を進めている。競争が激しく、差別化が難しくなってきているERP。その市場に対して、パッケージベンダーと連携して開発したSaaS/クラウド対応のERP製品を投入して差別化を図る。
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中山義人社長
NTTデータビズインテグラルは、ERP拡充策の第一弾として「Biz∫ 販売」「Biz∫ ePro_St@ff」「Biz∫ BI」「Biz∫ intramart」の4製品を、10月1日に発売する。
「Biz∫ ePro_St@ff」はアイテックス、「Biz∫ BI」はウイングアークテクノロジーズ、「Biz∫ intramart」はNTTデータイントラマートのOEM提供を受けている。SaaS/クラウドに対応したSOA・BPMを基盤とするビジネスプラットフォーム「Biz∫」で開発したものだ。SOA型で組んだアプリケーションをBPM基盤上で連携させることができ、既存のシステムにも対応する。中山社長は「BI情報系からERPまでオール・イン・ワンですべてのソリューションが手に入る、ユーザー中心のERPだ」としている。「Biz∫」にOEM提供するウイングアークテクノロジーズの内野弘幸社長は「絶対売れると確信している」と断言するほど、期待は高い。同製品は、ユーザー中心のERPであるのが強みだという。
具体的には、業務処理の連絡を自動化するほか、プロセスのどこに負担がかかっているのか一覧化し、プロセス間の「待ち」を削減する。また、SOAを採用してサービス単位でモジュールを定義するため、業務変化に対応しやすくなっているという。田中秀明・マーケティング営業統括マーケティング部長は「大きな視点でいうと、人とシステムの融合をキャッチフレーズに掲げている」として、従来の単なる機能連携と違い、人の作業の連携を可視化するのが「Biz∫」だと位置づけている。
「6月初旬の発表以来、大きな反響があり、引き合いも多い」(中山義人社長)としており、パートナーとの販売体制の整備を急ぐ。ISVからのOEM提供を進め、製品ラインアップの強化を図るほか、3年後にはパートナーを40社から100社に拡大する方針だ。
今後、パートナーに対しては上流コンサルティングのサービス提供やSOA化部品の再販の仕組み作りを展開していく。パッケージを提供するだけでなく、上流過程のプラニングサービスからシステムの導入・運用、モニタリングサービスを一貫して提供する「3D Value Cycle」を用意。企業改革を支援するサービスになると、自信をみせている。(信澤健太)