これまで多くの製品でさまざまな市場を創造してきた日本ヒューレット・パッカード(日本HP)が、SAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)分野において、仮想化が牽引するIP-SAN市場の確立に乗り出した。2009年7月、iSCSI製品として「HP LeftHand P4000」シリーズを発売。革新的な機能の搭載で国内市場に一石を投じる。
「HP LeftHand P4000」シリーズは、ストレージコンソリデーションをはじめ、SANクラスターアーキテクチャや仮想技術に特化した製品を開発・提供するストレージベンダーの米LeftHandがもつ技術を最大限に生かした製品。エンタープライズストレージ・サーバ事業統括ストレージワークスビジネス本部プロダクトマーケティング部の宮坂美樹・担当マネージャは、「米国では、LeftHand製品が3500社以上をユーザー企業として獲得し、1万1000ノード以上の導入実績をもっています」と、好評を博していることを説明する。米LeftHandを米Hewlett Packardが買収・融合したことで、HPブランドのストレージ製品として生まれ変わり、日本市場に登場することになった。
仮想環境に最適なアーキテクチャを持つHP LeftHandの機能面では、(1)スケーラブルなパフォーマンスとストレージ容量で、しかもダウンタイムなく拡張可能な「ストレージクラスタリング」、(2)きょう体障害が発生してもデータアクセスできるというハードウェアRAIDを超えた「ネットワークRAID」、(3)ストレージの利用率向上と、長期にわたってコスト削減を実現した「シンプロビジョニング」、(4)バックアップや迅速なリカバリに活用することにより、データ保護や業務継続性の向上を図る「スナップショット」、(5)遠隔コピーによるディザスタリカバリ(DR)でコスト効果が高い「リモートコピー」が特徴だ。しかも、「5種類すべての機能が標準装備されています」と話すのは、ESSプリセールス統括本部ストレージソリューション本部の服部政洋氏・システムエンジニア。ユーザー企業様が安心して導入できることを訴えている。
ラインアップについては、サーバー10台以下に対応した「P4300 Starter SAN」、サーバーの仮想化環境下で大きな効果を発揮する「P4500 Virtualization SAN」、復数サイトや構内レベルで拠点間の同期レプリケーションによる高可用性な構成を実現する「P4500 Multi Site SAN」などを揃えた。価格は「Starter」の2ノードで480万円(税抜)からとリーズナブルに設定。さらに、小規模環境のHPブレードサーバーユーザーを対象に外部ストレージ不要の高可用ストレージとDRを実現した「P4000 Virtual SAN Appliance for VMware ESX」なども揃えている。