リードエグジビジョンジャパンは、IT関連で話題になっているテーマを集結させた日本最大のIT展を2010年5月12~14日の3日間にわたって開催する。今回の展示会では、日本初となる「クラウドコンピューティング」の分野を取り上げており、業界内外から注目を集めそうだ。また、同社が開催する展示会は「商談の場」として前面に押し出している。そのための仕組みを提供していることも特徴となる。
“商談の場”としても会場を提供
10種類の展示会を用意
出展企業は1450社にも 今回のIT展は、「第19回ソフトウェア開発環境展」をはじめ、「第15回データウェアハウス&CRM EXPO」や「第12回データストレージEXPO」、ほかにも組み込みシステム開発や情報セキュリティ、RFIDなど業界内外で関心が高まっているテーマを集め、10種類の展示会を用意している。土居史和・常務取締役は、「業界関係者にとって欠かせない場として提供している」と、展示会の主旨を語る。出展企業は1450社を予定。来場者登録数は12万人を見込んでいる。
 |
| 土居史和・常務は「クラウドの可能性については、出展企業、来場者ともに関心が高い」と、今回から専門展として設けた理由を語る |
注目を集めそうなのが、「第1回クラウドコンピューティングEXPO(クラウドジャパン)」だ。展示会として開催するのは日本初となる。土居常務は、「出展企業と来場者ともにクラウドに関する展示会を開催して欲しいとの要望が最も多かった。これまで、クラウドコンピューティング関連の展示会が日本で開催されていなかった。活性化を図るためには、当社が専門展を開催しなければならないと判断した」という。このイベントの出展企業数は150社にのぼる。「当社では出展企業数を70社程度と見込んでいた。予想をはるかに超える社数となったのは、ITベンダーが自社のクラウドコンピューティング関連の製品やサービスを訴えていきたいからだろう」と、土居常務は分析している。
「クラウドジャパン」の具体的な内容は、クラウドサービスを利用するために必要な、プラットフォームをはじめとして導入支援や構築、運用などを出展企業が披露する。来場者のなかでユーザー企業の場合、自社導入の最適な製品・サービスが見つかる可能性が高い。ディストリビュータやSIerなどが来場した際は、自社ビジネスとしてメリットの高い製品・サービスを比較できるというわけだ。しかも、「各IT展を横串にしたものが『クラウドジャパン』と捉えている」。そういった意味では、さまざまなIT展のクラウド化を集約した展示会ということだ。
土居常務は、「今年は、クラウドコンピューティングが本格化する元年といえる。『クラウドジャパン』を契機に普及することを期待している」としている。
商談直結の事前アポイント
販社の事業拡大に役立つ 10種類の展示会を集結したIT展であることに加え、クラウド関連の展示も充実させることで注目を集めるといえそうだが、土居常務は「当社が開催する展示会は、単に出展企業が自社の製品やサービスをアピールするだけのものではない。出展することで事業拡大につながる“商談の場”として設けている」と訴える。そのため、同社では「事前アポイントシステム」と呼ばれるシステムを提供している。
このシステムは、来場者が自社で導入したい製品や抱えている課題を事前に登録。条件に合った出展企業が、その来場者に対して提案メールを送るという仕組みになっている。来場者は、関心があればメールをやり取りすることで出展企業とブースなどでアポイントが取れるほか、探したい製品やサービスの展示を事前に把握できるため、会場巡回の効率化を図ることができるようになる。また、出展企業とメールをやり取りする際、聞きたいポイントなどを出展企業に知らせておくこともできる。出展企業にとっては、各来場者に合わせた提案書やデモなどを用意できるという利便性がある。
実際、1ブースごとに探す手間が省けるのは大変便利だとの声が登録者から挙がっているそうだ。登録者数は、2月中旬の時点で登録を1300人を超えており、その後も順調に増えている。土居常務は、「クラウドジャパンを訪れる来場者が多く登録することが予想される」としている。また、ディストリビュータやSIerなどが来場する際に、出展企業と事前にアポイントすることも「商談という点ではメリットが高いのではないか」とみている。
同社が開催するIT展は、「日本最大の展示会」との評価を業界内で受けており、この不況下でも活況を呈している。しかも、“商談の場”として活用できるといった点で、ITベンダーにとってはメリットにつながるといえる。