インテル(吉田和正社長)、NECキャピタルソリューション(田中重穗社長)とBCN(奥田喜久男社長)は、10月28日、中小SIer向けセミナー「顧客のモバイルセキュリティは十分か? 旬のクラウド型PC管理サービスはこれだ!」を、東京・丸の内で共催した。会場にはおよそ50人の参加者が集まり、ノートPCなどモバイル環境のセキュリティ対策をテーマに、業界関係者3氏が中小企業のニーズと、それに対応する技術やサービスについて最新情報を披露した。(取材・文/ゼンフ ミシャ)
キーワードは「ハード面の保護」と「クラウド型PC管理サービス」
 |
ノークリサーチ 岩上由高シニアアナリスト |
セミナーの冒頭、調査会社ノークリサーチの岩上由高シニアアナリストが調査結果を紹介した。柔軟な勤務形態が普及し、またパンデミック対策の一つとして、クライアントPCを社外に持ち出す機会が増えているなかで、中小企業は「社外でもクライアントPCが安全に利用できるようセキュリティ対策への投資を重視しており、費用が少額で済む方策を求めている」と分析。しかしその一方で、「コスト面で中小企業に適したセキュリティソリューションがまだ数少なく、潜在的な需要が非常に高い」と、市場のポテンシャルを語った。
中小企業のニーズに合ったセキュリティソリューションとして、二つの形態を提案した。一つは、コスト削減につながるクラウド型のサービス、もう一つは、クライアントPCのハードウェアに組み込む機構だ。いずれの形態も、「販社やSIerにとって自社商材との境界線が明確で、システムのコンフリクトが起きにくいなどのメリットがあるからだ」という。
ハードウェアベースでPC内のデータを保護  |
インテル マーケティング本部エンタープライズ・プラットフォーム・マーケティング 坂本尊志氏 |
インテルのマーケティング本部エンタープライズ・プラットフォーム・マーケティングの坂本尊志氏は、中小企業向けセキュリティソリューションに最適な技術基盤として、盗難や紛失に遭った際にハードウェアベースでPCを無効化する「アンチセフト テクノロジー」を披露した。この技術は、「OS起動だけを不可にするのでなく、PC自体を使用できないようにして、HDDのデータへのアクセスができないようにする」(坂本氏)などの対策で、情報漏えいを防ぐのが特徴だ。
具体的には、あらかじめ設定した時間内にログインしない場合や、設定回数を超えてログインに失敗した場合などに、PCのすべての動作を無効化する。さらに、盗難や紛失の報告を受ければ、インテルのIT部門が専用コンソールでPCを盗難状態に設定し、ネットワーク接続やSMSメッセージ受信などの時にPCを即座にブロックするリモート管理に対応。従来のソフトウェアに基づいたセキュリティ対策では限界があったデータの包括的な保護を実現している。
月額600円のソリューションを中小企業にアピール  |
NECキャピタルソリューション ソリューション推進部 荒谷茂伸シニアディレクタ |
NECキャピタルソリューション ソリューション推進部の荒谷茂伸シニアディレクタは、「アンチセフト テクノロジー」の採用事例として、同社が提供しているクラウド型セキュリティソリューション「SecureDoc Managed Service」を紹介した。「サービスは、月々600円の月額課金や、短期間で利用できることなどで、中小企業の需要に対応している」と訴求した。
最後に、荒谷シニアディレクタは、「中小企業向けモバイルセキュリティは市場規模が非常に大きいので、開拓すれば、大きな収益につながる」と、ビジネスチャンスを示した。
このセミナーを通じて、ハードメーカーやソリューションプロバイダがどこまで中小企業が抱えている課題を読み取り、うまく対応できるかどうかが、市場開拓のカギを握っていることが明らかにされた。

会場には約50人の参加者が集まった