インターネットセキュリティのデジタルアーツ(道具登志夫社長)は、11月9日、BCNとの共催で、次世代ウェブフィルタリングソフト「i-FILTER Ver.8」の発売記念イベントを東京・丸の内で開催した。会場にはセキュリティ業界の約120人の関係者が集まり、講演に熱心に耳を傾けた。(取材・文/ゼンフ ミシャ)
1年間で2000社の導入を目指す
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ラック 川口洋 チーフエバンジェリスト |
デジタルアーツは、ウェブフィルタリングソフト「i-Filter」の新バージョンとして、社内ネットワークからの機密情報漏えいを防止する『出口対策』を図った「Ver.8」を10月31日に発売した。「i-Filter」は同社の主力商材で、「Ver.8」について1年間で2000社、100万ライセンスを販売目標に掲げている。
「i-FILTER Ver.8」の発売記念イベントでは、セキュリティ監視センター「JSOC」を運営するラックの川口洋チーフエバンジェリストが、「最新のサイバー攻撃、マルウェアの実態と対策―巧妙な攻撃に『入るをはかって、出るを制する』で情報流出を防げ!」というテーマで基調講演を行った。
川口チーフエバンジェリストは、ネットバンクの不正アクセスや防衛産業を狙ったサイバー攻撃の事例を紹介しながら、最近、新型ウイルスなどの脅威が爆発的に増加していると警鐘を鳴らした。
同氏は、「自社を脅威から守るためには、サイバー攻撃に備えて社員に対応訓練を受けさせることや社外向け通信の分析の徹底、ウェブアクセスの制御が有効だ」としている。
業界初の「出口対策」を実現
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デジタルアーツ 高橋則行 取締役最高執行責任者 |
セッションでは、デジタルアーツの高橋則行取締役最高執行責任者が、「ウェブアクセスをいかに安全・安心に行うか! 新たなウェブ上の脅威、ネットワーク、プラットフォームに対応した次世代ウェブフィルタリングソフト」と題して、大幅な機能強化を行った「i-FILTER Ver.8」の特徴を紹介した。
「i-FILTER Ver.8」は、ラックが提供する脅威サイト情報にもとづいて、感染したパソコンが誘導される先のウェブサイト情報をフィルタリングデータベースとして搭載している。組織内のパソコンがマルウェアに感染した場合、情報詐取目的などで実行しようとするウェブサイトへの通信を検知・遮断する。高橋取締役最高執行責任者は、「マルウェア感染後の『出口対策』を図った機能は、業界初だ」と自信を示した。
さらに、「i-FILTER Ver.8」は、IPv6への変換機能を備えている。社内ネットワークがIPv4ネットワークのままでも、IPv6ネットワークのウェブサイトへの接続ができる。
これから2年の間に導入が進む
イベントの最後では、『週刊BCN』の木村剛士副編集長が、「ウェブセキュリティ市場のこれからのビジネスチャンスは何か」の観点から、登壇した二人に公開インタビューを行った。
川口チーフエバンジェリストは、「大手企業は自社にウェブセキュリティを入れるだけでなく、アウトソーシング先や取引先にもウェブセキュリティの導入を訴える必要がある」と述べ、今後、中堅・中小企業(SMB)の市場でもウェブセキュリティの商機が増えるとした。また、高橋取締役最高執行責任者は、「1年前から脅威が増大していることが背景にあって、ユーザー企業は規模を問わず、ウェブセキュリティに対する意識を高めている」として、これから2年の間にウェブセキュリティの導入が進むと見込む。ウェブセキュリティの市場規模は、「2015年までに約200億円に拡大する」と予測した。

『週刊BCN』公開インタビュー(左から『週刊BCN』の木村剛士副編集長、デジタルアーツの高橋則行取締役最高執行責任者、ラックの川口洋チーフエバンジェリスト)