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「リマーケティング」の切り札となるか 日本電子計算(JIP)が担う役割
2012/11/15 21:03
週刊BCN 2012年11月12日vol.1456掲載
NTTデータが、今春、老舗SIerの日本電子計算(JIP)をグループ化した最大の理由は「国内市場のリマーケティング(再創造)をする」(NTTデータの岩本敏男社長)という重点施策を具体化するためだ。JIPに期待される役割は、NTTデータの弱点の一つである証券業分野へのテコ入れにある。証券業の市場は、野村證券をはじめとする優良顧客を多数抱える野村総合研究所(NRI)が圧倒的に強いが、NTTデータは同じく証券業に強いJIPを傘下に収め、NRIのシェア切り崩しを狙う。
NTTデータの副社長を務め、今年6月、JIPのトップに就いた重木昭信社長は、「(NRIの証券業向け共同利用型基幹業務サービスの)STAR-IVだけで選択肢なしの状況は、市場の発展につながらない」として、40年余りにわたって金融業向けシステム開発で蓄積してきたノウハウの集大成であるJIPの証券総合システム「SIGMA21シリーズ」をNTTデータグループの主力商材の一つとして拡販する。
NTTデータの「国内市場のリマーケティング戦略」は、「グローバル進出」と「ソフトウェアの生産革新」と並ぶ重点施策で、「顧客の変化」「競合の変化」「自社の変化」の三つの変化を捉え、伸び悩む国内事業をいま一度立て直すものだ。JIPは、こうしたNTTデータのリマーケティング戦略の先行きを占ううえでも重要なポジションを占める。
国内の証券会社はおよそ280社で、長引く株価低迷で厳しい事業環境にある。資本力に勝る大手銀行との連携を強化したり、基幹業務システムの共同利用化によるコストダウンを進めている。ライバルのNRIは、証券最大手の野村證券が2013年1月にSTAR-IVユーザーに加わることで、「証券業向け共同利用型システムで過半数のシェアに達する」(NRIの嶋本正社長)と、大きく駒を進める。こうした「顧客の変化」「競合の変化」を受けて、NTTデータは「自社の変化」を成し遂げるべく、JIPと共同戦線を張ろうとしている。
共同利用型はデータセンター(DC)設備など先行投資が重くのしかかるために、年商350億円規模のJIP単独では、売り上げベースで約10倍の規模差があるNRIに対抗するのは難しい状況だった。そこで生きてくるのが、NTTデータの強大なDC設備と資本力、さらにNRIの弱点でもある銀行業に強い点だ。NTTデータの地銀向け基幹業務の共同利用型システムのシェアは約3割でトップ。「証券と銀行の連携でも優位に立つ」(JIPの重木社長)と、自らも大きく変わっていくことで、証券分野で大きな力をもつNRIに挑むことができる距離まで間合いを詰めてきた。
NTTデータとJIPは顧客と競合、自社の三つの変化を先取りする取り組みによって、成熟度が増す国内市場でも新たなビジネスチャンスを生み出す成功事例にしたいと考えている。(安藤章司)
NTTデータが、今春、老舗SIerの日本電子計算(JIP)をグループ化した最大の理由は「国内市場のリマーケティング(再創造)をする」(NTTデータの岩本敏男社長)という重点施策を具体化するためだ。JIPに期待される役割は、NTTデータの弱点の一つである証券業分野へのテコ入れにある。証券業の市場は、野村證券をはじめとする優良顧客を多数抱える野村総合研究所(NRI)が圧倒的に強いが、NTTデータは同じく証券業に強いJIPを傘下に収め、NRIのシェア切り崩しを狙う。
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