インターネットサービスのネットドリーマーズ(国本恵嗣社長)は、リンクのパブリッククラウドサービス「at+linkクラウド」を採用した。ネットドリーマーズは1999年の創業初期から「at+link専用サーバサービス」のユーザーで、「at+linkクラウド」は2012年10月から本格的な活用をスタート。既存の専用サーバーをベースとしながらも、通信トラフィックが急増したときにITリソースを柔軟に増減できる「at+linkクラウド」を活用することで、インフラコストを大幅に抑制した。
ユーザー企業:ネットドリーマーズ
サッカーや野球などのスポーツ、競馬や競輪などのレジャー、家庭料理や愛犬などのライフスタイルに関するインターネットサービスベンダーとして事業を展開している。
サービス提供会社:リンク
サービス名:「at+linkクラウド」「at+link専用サーバサービス」
【課題と決断】ピーク時対応のクラウド化を決断
ネットドリーマーズは、月間1億ページビュー(PV)を超える日本最大級のインターネット競馬ポータルサイト「netkeiba.com」をはじめ、スポーツやライフスタイルなどのネットサービスを手がけている。ネットサービスの基盤となるサーバー機器を自社で運用するのは投資がかさむことから、創業の初期からリンクの「at+link専用サーバサービス」を使ってきた。ユーザーごとに専用の物理サーバーを貸し出す方式で、「管理者権限によって自由にシステムを操ることができるレンタルサーバーで、月額費用もリーズナブル」と、ネットドリーマーズの清水良幸取締役プラットフォーム開発本部長は高く評価している。
しかし、専用サーバーは物理的なサーバー機器を専有するので、システム負荷のピーク時に合わせた設計を行わなければならない。例えば、競馬ポータルサイトでは主要な競馬レースが開催される春と秋に通信トラフィックが増え、週末にもトラフィックが集中する傾向が顕著に現れる。「繁閑の差が大きく、ピーク時に合わせた設計では運用コストが増大してしまう」(ネットドリーマーズの深須敏幸・メディア事業本部レジャー事業ユニットリーダー)という課題を抱えていた。近年ではソーシャルメディア(SNS)機能も充実させてきていることから、ユーザー同士の交流の活発化によるトラフィックの増加も無視できないほどのシステム負荷を与えるようになっている。
そこで解決策として打ち出したのが、トラフィックの量に合わせて、ITリソースを自在に増減するパブリッククラウドサービスの活用である。世界大手のAmazon Web Services(AWS)をはじめ、さまざまな選択肢があったが、ネットドリーマーズはリンクのパブリッククラウドサービス「at+linkクラウド」の採用を決めた。

左からリンクの滝村享嗣部長、ネットドリーマーズの清水良幸取締役本部長、深須敏幸リーダー【効果】専用サーバーとクラウドを連携
理論的には「at+link専用サーバサービス」上で運用している約500台分の現行の物理サーバーを、すべてAWSやat+linkクラウドなどへ移行し、完全にクラウド上だけで運用することも可能だ。おそらくこのほうがコスト的にも安くなる可能性がある。しかし、ネットドリーマーズは専用の物理サーバーを残す方法を選択した。競馬シーズンや週末のトラフィックが増えた分だけ、「at+linkクラウド」上で運用する仮想サーバーを立ち上げて対応する仕組みにしたのだ。理由は、「完全にクラウドに移行してしまうと、万が一、原因不明の障害が発生したときに手の打ちようがない」(清水取締役本部長)という危険があるからだ。
「at+link専用サーバサービス」上では、この10年余りの間、すでに5~6世代分に相当するサーバーやネットワーク構成の更新を経てきた実績がある。機器類はリンクのビジネスパートナーであるサーバーベンダーのエーティーワークスが担っており、「障害発生時はリンクとエーティーワークスと当社がスクラムを組んで対処してきた」(清水取締役本部長)という経緯があり、事業継続能力の観点から専用サーバーを残すことにした。こうなると「at+link専用サーバと最も相性がいいクラウドサービスはat+linkクラウド」(リンクの滝村享嗣・at+link事業部営業部長)であることから、クラウド部分もリンクのサービスを選んだ。
2012年10月から「at+linkクラウド」の本格的な運用を開始し、直近の仮想サーバー数は約50台ほどまで拡大。ピーク時対応をクラウド化することで、ITリソースを柔軟に増減できるようになるとともに、基本システムの維持費抑制につなげた。(安藤章司)
3つのpoint
クラウドによってピーク時の負荷を吸収
物理サーバーはベース部分に割り当てる
事業継続の能力を専用サーバーで担保