企業の間で、「ワークスタイルの変革」が注目を浴びている。在宅勤務やフリーオフィス方式を採用し、業務形態の自由化を図る企業が増えつつある。ITサポート事業を手がけるコニカミノルタ ビズコム(山田恭社長)は、3年ほど前に在宅勤務の制度を導入した。そして、社員が自宅のパソコンやモバイル端末から簡単に会社のパソコン環境にアクセスすることができるツールとして、RSUPPORTのリモートアクセス製品「RemoteView」を活用している。自社での利用経験を踏まえ、「RemoteView」を中小企業向けIT管理サービス「IT-Guardians」にも組み込んで、自社サービスの一機能としてユーザー企業に提供していく。(取材・文/ゼンフ ミシャ)
コニカミノルタ ビズコムは、コニカミノルタビジネステクノロジーズ(現コニカミノルタ)、コニカミノルタビジネスソリューションズ、シーイーシー(CEC)の3社が出資して、2008年に設立された会社だ。ITソリューションの企画と運営をビジネスとしている。
1日あたり3時間の短縮を実現
東京・日本橋のオフィスでは、スペースが不足しており、社員の数が席数を超えている状況にあって、3年ほど前に、在宅勤務・フリーオフィス方式の導入を決めた。現在は、社員がローテーションで週1日程度、自宅で仕事をこなす体制にして、席数の問題を解決している。
同社は、社員が外部から会社のパソコン環境にアクセスするときに、従来は自宅のパソコンにUSBを挿すという、専用ハードウェアが必要な仕組みを使っていた。しかし、USBをもって帰らないと自宅で仕事ができないなど、縛りが多い。そこで、ハードウェアが不要で、さらにiPhoneなどモバイル端末からも利用することができる製品を求めた。

山田恭 社長 着眼したのは、RSUPPORTが提供するリモートアクセス製品「RemoteView」だった。インターネットが利用できれば、いつでもどこでもウェブブラウザを通じて会社のパソコン環境に接続することが可能なツールだ。コニカミノルタ ビズコムは、2012年8月に「RemoteView」を導入し、業務の効率化の向上に生かしている。
山田恭社長は、「毎日の通勤時間が片道で1時間40分かかる。電車の中でiPadを使い、『RemoteView』によって会社のパソコンにアクセスして仕事をする」。一日あたり、およそ3時間の時間短縮を実現していると語る。社員にもiPhoneを支給し、外出先から会社のパソコン環境に接続することができる環境を用意することによって、業務効率の改善に取り組んでいるという。

「RemoteView」のスタート画面。専用ハードをもたずに遠隔地から会社のパソコン環境にアクセスできるリモートアクセスの需要が旺盛
コニカミノルタ ビズコムは、今後、「RemoteView」を自社で活用するだけでなく、中小企業向けIT管理サービス「IT-Guardians」にも採用し、商材として展開していく。
「IT-Guardians」は、セキュリティやデータバックアップ、資産管理支援などのメニューを揃え、中小企業のIT管理をサポートするもの。今回、「RemoteView」をメニューに追加することによって、「導入企業数の倍増を目指している」(山田社長)という。
山田社長は、「スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスの普及によって、リモートアクセスのニーズがどんどん高まっている。最近、お客様からリモートアクセスに関する相談が多くなっているという報告を営業現場から受けている。自社利用を通じてメリットがよくわかる『RemoteView』を商材に、需要の高まりをものにしたい」としている。