クオリティソフト(久保統義社長)は、販社やユーザー企業に事業方針や製品動向を紹介する恒例のイベント「VisionQ 2015」を10月22日から全国5拠点で順次開催した。10月30日に東京・御茶ノ水の「ソラシティカンファレンスセンター」で開催した東京会場は満席となった。(取材・文/木村春生(フリージャーナリスト))

「VisionQ 2015」の東京会場は満席ユーザーは4万社を突破、好調な業績
イベントの冒頭、挨拶に立った久保社長は、「主力商材のIT資産管理ツール『QNDシリーズ』とマルチデバイス管理ツール『ISM CloudOne』のユーザーは、4万840社と4万社を突破した。また、PDFの編集/変換ソフト『Quality Gaaiho PDF Suite』も9万ライセンスと導入実績が倍増した」とアピール。業績は好調に推移しているという。

久保統義 社長 加えて製品ビジョンに触れ、「QNDシリーズは、フルスペックのクライアント管理製品として管理者が必要な機能をすべて統合している。ISM CloudOneは、クライアント管理業務を省力化できる機能を強化した」と説明。アライアンスでは、デジタルアーティファクトと業務委託契約を交わしてクライアントバックアップソフト「datasaver」の技術を、プリンストンとエーティーワークスを通じてアプライアンスとして提供するほか、今後はIT資産管理機能との融合も目指す。
「さらに、12月にはURLフィルタリングメーカーとのアライアンスも発表する予定で、QNDシリーズ、ISM CloudOneと連携して、さらなる運用の効率化を進める」と語った。
マイナンバー対応に最適な「QGG」
続いて登壇した大槻茂取締役は、クオリティ製品の最新機能について説明。まず、9月26日にリリースした「QND Ver.10.2i」の新機能として、オフライン資産の管理、ISM CloudOneとのPCインベントリ連携、リモートコントロール機能を紹介した。「すべてのIT機器と、机やイスなどの非ネットワーク機器を管理対象にできるほか、ISM CloudOneで収集したインベントリ情報はQNDと連携できる」という。

大槻茂 取締役 最新版の「ISM CloudOne Ver.4.7i」については、自動セキュリティ診断、診断結果の自動レポート、是正アクションをデモを交えて披露。「グループ企業など、拠点や使用しているアンチウイルスソフトが異なっていても、セキュリティの状態を自動でチェックして、即座に是正できるので、管理者は任せきりにしても大丈夫。また、是正アクションも、管理者からの強制実行とユーザーのタイミングでの実行を選択できるようになった」と説明した。
また、2016年1月に行政手続きでの「マイナンバー(社会保障・税番号)制度」の使用が開始となり、すべての事業者でマイナンバーを含む特定個人情報の保護措置が求められると解説しながら、個人情報/機密情報保護ツール「QGG Ver.2.0」について説明。「『QGG』は、クライアントPCに保存した個人情報や機密ファイルを探査し、保存場所を検出して、特定のフォルダに集約できる。これによって、セキュリティリスクの一元的な把握が可能だ。定期的な探索でPDCAを回していくためにも、マイナンバー対応にQGGを活用してほしい」との考えを示した。
2015年夏に向けた製品ロードマップ
最後に、山崎誠・セールスプロモーション部部長が、今後の製品ロードマップを説明した。QNDシリーズは、Mac OS対応、VDI対応したクライアント操作ログ取得ツール「QND ClientLog Ver.2.5i」を11月にリリース。また、URLフィルタリングメーカーとのアライアンス発表に合わせて、URLフィルタリング連携が可能な「QND Ver.10.2i SP1」を提供する。さらに、来年夏には「QND Ver.10.3i」をリリースし、Mac向け機能の強化や、外部メディア制御機能の強化を図る。

山崎誠 部長 ISM CloudOneについては、まず、11月にライセンス管理機能を強化したほか、インターネット経由でのリモコン操作を可能とし、Windows MDM(Ver.8.x向け)機能や、アプリケーションポータルの機能を備えた「ISM CloudOne Ver.4.9i」をリリース。来年1月には、URLフィルタリング機能をオプションで提供する。さらに、夏にはクライアント操作ログ機能を備え、セキュリティ診断項目を強化した「ISM CloudOne Ver.5.0i」をリリースする。また、今年末から来年3月にかけて販売キャンペーンを実施することも発表した。
10月22日の福岡での開催を皮切りに、大阪、名古屋、札幌の各会場でイベントを実施し、最終となる東京会場は満席。販社やユーザー企業がクオリティソフトの取り組みに関心を高めている様子がうかがえた。