ネットワールドは、5月22日、プライベートイベントの「EMC iSM 2015 & VSPEX BLUE DAY」を東京・秋葉原の秋葉原UDXで開催した。5月下旬に発売した新ジャンル製品、EMC製ハイパーコンバージド・インフラストラクチャアプライアンス「VSPEX BLUE」の強みを披露。また、米EMCが5月4日にラスベガスで開催した「EMC World 2015」で発表となった有益な情報も提供した。EMC製品のユーザー企業やネットワールドの販売パートナーなど約150人が参加。EMCジャパン、ヴイエムウェア、シュナイダーエレクトリックが協賛した。(取材・文/木村春生(フリージャーナリスト))
コンバージド・インフラ市場でリード
EMCとのパートナーシップをアピール

ネットワールド
森田晶一 社長 「EMC iSM」はネットワールドが主催し、東京に加えて名古屋や大阪、福岡の4会場で実施。毎年、米EMCのプライベートイベント「EMC World」で発表された内容などを提供し、ユーザー企業やパートナー企業から有益な情報が収集できるとして注目を集めているイベントだ。
イベントの冒頭、まずネットワールドの森田晶一社長が登壇して、VSPEX BLUEに関する二つのプログラムを説明。「サーバー仮想化プラットフォーム『VMware vSphere』のライセンス『Enterprise Plus』があれば、既存環境からVSPEX BLUEに移行できる。しかも、(仮想化アプライアンスの)『EVO : Rail』はこれまで3年保守という縛りがあったが、今は1~5年の保守期間から自由に選択できるようになった。そのため、1システムを1500万円以内で提供・導入できるというメリットがある」とした。
ネットワールドは、台数限定で999万8000円で提供する予定も立てているほか、リセラーのデモ・検証用に300万円で提供するプログラムもスタートする。そして、6月にEMC認定の「VSPEX BLUE」ビルドセンターを開設、パートナーの拡販を支援していくことを強調した。
次いで、ヴイエムウェアの三木泰雄会長が講演。「10年以上前からネットワールドとともに日本の仮想化市場を立ち上げてきた。コンバージド・インフラはこれからの市場であり、今後ともネットワールドにはぜひ、市場の先頭を走り続けてほしい」とエールを送った。
最後に、このイベントに合わせて来日した米EMCのギル・シュネオルソン・バイスプレジデント&ジェネラルマネージャーが講演。「ネットワールドは、コンバージド・インフラの経験が非常に豊富であり、われわれのパートナーとして非常に重要な存在」とアピールした。そして、VSPEX BLUEは、EMCグループの各社がもつ最高の製品を集めてつくり上げたソリューションの一つであり、業界をリードするコンバージド・インフラとして最高であることを説明した。「VSPEXと、コンバージド・インフラシステム『Vblock』でコンバージド・インフラ市場をリードしていく。とくに、VSPEXはシンプルで15分でセットアップできる俊敏性、拡張性を備え、データ保護機能、充実のサポートによって信頼性も高い」とアピールした。

パートナーシップの深さをアピールするように、ネットワールドの森田社長(中央)と米EMCのギル・シュネオルソン・バイスプレジデント(右)、ヴイエムウェアの三木泰雄会長が握手する場面もあったストレージ業界の最大イベント
「EMC World 2015」
セッションパートでは、初めに「EMC VSPEX BLUEとは?~新ジャンルハイパーコンバージドについて語る!~」と題して、EMCジャパンのパートナーSE部プリンシパルSEの三保尚澄氏とネットワールドのSI技術本部の石塚智規氏が講演した。

(左から)EMCジャパン パートナーSE部 プリンシパルSE 三保尚澄氏、
ネットワールド SI技術本部 石塚智規氏、
ネットワールド ストラテジックプロダクツ営業部 藤本匡代氏 VSPEX BLUEは、すぐれた基本性能、統合されたデータ保護機能、ストレージ拡張オプションを備えていることが他社製品との差異化につながっていると説明。とくに、データ保護機能では、ゲストOSレベルのレプリケーションとAPレベルのバックアップを実現する。こうしたデータ保護機能の統合など、真の「ハイパーコンバージド」になっているのはVSPEX BLUEだけとアピールした。
次に、「EMC World 2015@ラスベガス 最新情報とロードマップ」と題して、EMCジャパンの三保氏とネットワールドのストラテジックプロダクツ営業部の藤本匡代氏が講演。EMC World 2015は約1万4000人が参加し、ストレージ業界最大規模のイベントになった。初日は、ハイパーコンバージド・インフラの新製品「VxRACK」やオールフラッシュアレイの新版「XtremIO 4.0」を紹介。XtremIOは、製品リリースから18か月で10億ドルの売り上げを達成するなど成長スピードが速いことをアピールしたという。
2日目は、企業の課題を解決するEMCグループ製品の意義を強調。3日目は、仮想ストレージソフトウェア「ScaleIO」の無償版を発表した。ScaleIOは、既存のサーバーをブロックストレージとして利用できるようになる「Software Defined SAN」という。誰でもダウンロードが可能で、テスト環境や開発環境にも利用できる。
最後に、米EMCのジョー・トゥッチCEOのコメントを紹介。「グーグルやアマゾンに飲み込まれないためには時代の波に乗らなければならない。そのためにEMCもハード、ソフトの隔たりなく自己破壊し、選択肢(ポートフォリオ)を拡大していく」とした。
セッション後半では、「EMC Worldの発表は本当に日本市場に使えるのか?~EMC Worldの発表を日本市場でのマッチングの可能性についてネットワールドが語る~」と題して仮想化ソフトウェア「vVNX」を紹介。テスト環境や開発環境で無償使用でき、物理のユニファイドシステム「VNXe3200」と遜色ないことを説明した。
最後のセッションでは、「EMC ALL STARS Special Session ~EMC WORLDで発表された、大きくはないが非常に重要と思われる情報を、ネットワールドが厳選してお伝えします~」と題して講演。Data Domainの「DD1600」の後継機が6月に登場し、性能は4倍で低価格になるのではないかと述べた。