産業見本市の企画・運営会社、リード エグジビション ジャパン(石積忠夫社長)主催の総合IT展示会「Japan IT Week 2016 春」が5月11~13日の3日間にわたって東京ビッグサイトで開催される。業界で話題のテーマをもとに、今回は12種類の展示会を同時に実施。来場者が目的を明確にしてブースに訪れることができるほか、実商談ができるのがこの展示会の魅力だ。出展企業数は前回と比べて110社増の1600社と、さらに規模が拡大している。来場者は約8万5000人を見込む。(取材・文/佐相彰彦)
12種類の展示会で話題のテーマをカバー

「Japan IT Week」は毎年、多くの来場者で賑わっている
春と秋の2回にわたって開催される「Japan IT Week」は、複数の専門展示会を同時に開催し、来場者が関心のあるブースを選んで訪れることができる。また、それぞれの専門展示会を訪れると、今、IT業界で話題となっているテーマを俯瞰的に把握することができるのも特徴だ。春は新年度を迎えた企業が多いため、出展企業にとっては今年度に力を注ぐ製品・サービスを披露できる場となり、来場者にとっては下期に向けて、今後どのような製品・サービスを導入すればいいのかをリサーチできる展示会といえる。
Japan IT Week 2016 春では、話題のテーマをもとに、前回と同様、12種類の展示会を用意している。具体的には、「ソフトウェア開発環境展」「ビッグデータ活用展 春」「組込みシステム開発技術展」「データストレージ EXPO」「情報セキュリティ EXPO 春」「Web & デジタルマーケティング EXPO 春」「データセンター展 春」「クラウドコンピューティングEXPO 春」「スマートフォン&モバイル EXPO 春」「IoT/M2M展 春」「通販ソリューション展 春」「モバイル端末・周辺機器展」となっている。最近は、各専門展の関連性が密になっており、例えばユーザー企業のITシステム担当者は、複数の展示会を訪れることによって、社内のシステムが抱える課題を解決することができる。製品・サービスを担ぐディストリビュータやSIerであれば、複数の製品・サービスを組み合わせて新しいソリューションの創造につなげることができる。それぞれの専門展示会が独立していながらも、総合IT展示会という意味合いをもっているため、それがJapan IT Weekを訪れる最大のメリットになっている。
日欧米だけでなく20の国と地域から出展
Japan IT Week 2016 春の出展企業は、日本や欧米だけでなく、さまざまな国や地域からもエントリーしている。インド、フィリピン、バングラデシュ、ベトナム、スリランカなど、各国のパビリオンがあり、合わせて約20の国と地域から国際色豊かな出展企業が集まっている。
さまざまなイベントが縮小傾向にあるなか、Japan IT Weekが年を追うごとに出展企業が増えているのは、出展企業と来場者ともに実ビジネスにつながるケースが多いからだ。その決め手となるのが、「事前アポイントシステム」。これは、求める製品や現状の課題を、あらかじめ専用サイトで登録しておくと、出展企業が提案メールを送付、来場者が興味のある出展企業に返信してアポイントが完了するという仕組みだ。
また、実際にシステム導入プロジェクトに携わる担当者が、専門セミナーに無償で参加して会場近くのホテルに特別価格で宿泊できる「プロジェクト責任者ご優待」も、魅力のある企画だ。ユーザー企業のシステム担当者などに事前アポイントシステムに登録してもらい、リード エグジビション ジャパンが出展企業に紹介。IT導入プロジェクト進行中のユーザーを全面サポートするほか、出展企業にとっては実商談につながるというわけだ。

実ビジネスにつながるケースが多い「Japan IT Week」での商談
セミナーでは、米インテルのジョナサン・バロン・IoT事業本部市場・チャネル推進事業部副社長兼市場・チャネル推進事業部長が登壇し「IoT:It's About Time ~いよいよ実現する、IoTが創る新たな世界~」と題して基調講演する。セミナーは全部で66セッションと充実している。来場者にとっては、関連する展示会を訪れたり、セミナーに参加したりすることで、課題解決や業務改善のヒントをみつけることができそうだ。