週刊BCNは7月4日、「今しかできない! Windows 10の提案方法 ~ユーザーをその気にさせる移行ソリューション~」と題し、東京・赤坂でセミナーを開催した。協賛は、AOSデータとワンビ、アイキューブドシステムズの3社。Windows XPサポート~終了に伴う特需の反動減のまま伸び悩むPC市場において、操作性やセキュリティ機能などの評価が高いWindows 10への期待は大きい。いずれは、Windows 10がビジネスPCの主力OSとなりそうだ。そこで本セミナーでは、他社に先駆けてWindows 10を提案するためのソリューションやノウハウなどを紹介した。
秋になる前に実績をつくる
冒頭の講演では、週刊BCN編集長の畔上文昭が登壇。「Windows 10は今が提案どき ~XPや2003にみる移行の傾向と対策」と題して講演した。Windows XPのサポート終了時には、需要を先取りするかたちでリプレースが進み、特需となった。しかし、その後の反動減からPC市場はあまり回復していない。ビジネスで活用されているPCの台数自体は大きく変わらないため、いずれは元に戻ると考えられる。
「今年の秋にはメーカー製のPCに搭載されるOSがすべてWindows 10になる。そのため、自動的にWindows 10の導入が進むことになるが、秋のタイミングを待つのではなく、他社に先駆けてWindows 10の実績をつくることで、秋以降のリプレース需要を優位に進めるべき」とし、今こそがWindows 10を提案する最適なタイミングだと語った。
ユーザーも使える移行ツール

AOSデータ
志田大輔
取締役CTO
AOSデータ
春山 洋
社長 セッション1では、「データ移行で業務効率Up!コストDown!『ファイナルパソコン引越しenterprise』」と題し、AOSデータの春山洋社長が登壇。ビジネスの現場では、約8割のPCがWindows 7を搭載していて、リプレースに際してはWindows 10が採用されるとし、「Windows XPからの移行は、どこでも大変な作業になった。Windows 10への移行も台数が多いと大変な作業になる」とし、GUI操作で複数台をまとめて移行できる「ファイナルパソコン引越しenterprise」を紹介した。
同ツールの使い方については、志田大輔・取締役CTOにバトンタッチ。ユーザーが操作できるシンプルさから、「情報システム部門でなくても利用できる」とアピール。ユーザー部門が約2200台の移行を実施した事例などを紹介した。

Windows 10のセキュリティ

ワンビ
加藤 貴
社長 セッション2では、「セキュリティの為だけでも、Windows 10にすべきだ! ~モバイル活用のノウハウを教えます~」と題し、ワンビの加藤貴社長が登壇。ユーザー企業は、外部からの攻撃や内部からの情報の持ち出しなど、多様なセキュリティの脅威にさらされていると説明。Windows 10ではさまざまなセキュリティ対策が施されていて、多くの問題に対応しているが「ヒューマンエラーは守れない」と加藤社長。「リスクはデータに比例する」ことから、データにあわせた柔軟なセキュリティ対策を求めた。
これらを踏まえ、ACアダプタを抜いたら警告音が鳴ったり、遠隔操作でデータを消去できたりするモバイルPCとして、ワンビのセキュリティソリューションを搭載したパナソニックの「Let’s note」を紹介した。
モバイルを強く意識したMDM

アイキューブドシステムズ
マーケティング本部
マーケティングコミュニケーション部
リーダー
山崎隆弘 セッション3では、「Windows 10のモビリティを最大化する4つのポイント」と題し、アイキューブドシステムズの山崎隆弘・マーケティング本部マーケティングコミュニケーション部リーダーが登壇。Windows 10をビジネスシーンで活用する時代は当然のようにやってくるとし、「Windows 10デバイスは、“モバイル”向け。持ち出す、社外で活用するためのOSである」ことを意識した管理が必要だと解説した。また、同社のMDM(モバイルデバイス管理)ソリューション「CLOMO MDM」を紹介。マイクロソフトとワンビと協業し、Windows 10に最適化したMDMであり、「セキュリティ対策」「利用状況の監視」「機能制限の適用・解除」など、モバイル利用を強く意識した機能を備えていることをアピールした。最後に山崎リーダーは、「30日間無料トライアルを実施しているので、ぜひ活用してほしい」と会場に呼びかけ、講演を終えた。(弍風次郎)