ネットワールド(森田晶一社長)は7月8日、シスコシステムズ(シスコ)とバックアップソフトベンダーのヴィーム・ソフトウェア(Veeam)の協賛のもと、東京でセミナーを開催した。シスコが今年4月に国内で提供を開始したハイパーコンバージドインフラ「Cisco HyperFlex Systems(HyperFlex)」を紹介するのが狙い。ネットワールドは、両社の製品をかつぐ国内唯一のディストリビュータである強みを生かし、HyperFlexとVeeamのコラボレーションに力を入れている。当日はHyperFlexとVeeam製品との連携について詳しく紹介した。(取材・文/前田幸慧)
「Cisco UCS」がHyperFlexのカナメ
セミナーの冒頭では、シスコシステムズの柴田明彦・データセンターバーチャライゼーション事業 シニアプロダクトセールススペシャリストが登壇。「今回、ネットワールド社には当社が提供する以上の情報をご紹介いただく。みなさまにはそれを理解していただき、今後のビジネスに役立つようなソリューションをともに提供していきたい」と挨拶した。

セミナーでは、ネットワールドがイチ押しのハイパーコンバージドインフラ
「Cisco HyperFlex Systems」が紹介された
次に、「Cisco HyperFlexの前にUCSを理解しよう!~HyperFlexのコンポーネントをご紹介~」と題して、ネットワールド マーケティング本部 インフラマーケティング部 Ciscoソリューション課の橋本真主任が講演した。橋本主任はハイパーコンバージドインフラについて、SDSでストレージコストがかからない、ラック消費が少なくスモールスタートの導入が可能、スケールアウトが容易などの特徴を紹介。こうした点から、「コンバージドインフラと比べて提案しやすく、導入もしやすいため、売り上げが伸びている」と、ハイパーコンバージドインフラが今“キている”理由を説明した。
講演テーマでもある、HyperFlexを構成するコンポーネントについては、サーバー製品「Cisco Unified Computing System(UCS)」と、ラックマウント型サーバーのUCS「Cシリーズ」、ネットワーク接続(LAN)とストレージ接続(SAN)を集約する統合管理スイッチ「ファブリック インターコネクト(FI)」、UCSを統合管理するソフトウェア「UCS Manager」を紹介。「UCSはUCS Managerを使うことで一元的かつシンプルに管理できることに加え、UCS Managerの機能の一つである『サービスプロファイル』を使っていただければUCSサーバーを迅速に構築することもできる」と構築・管理のシンプルさをアピール。「HyperFlexを使っていただくことで、管理コストや構築コストなど、あらゆるコストを削減することができる」と、コストメリットを強調した。
また、SI技術本部データソリューション課の小野美聡氏がHyperFlexの性能を紹介。HyperFlex構築の流れを示しながら、構築の所要時間が1時間程度であることなどを説明し、UCSのコンセプトである“シンプルさ”を重ねてアピールした。また、仮想サーバーの稼働台数ごとのI/O性能や、仮想化環境ベンチマークツール「Login VSI」を用いた負荷テストなどの検証結果を解説した。
Veeam製品との組み合わせが抜群
続いて、ネットワールド マーケティング本部 ソリューションマーケティング部システムソリューション課の八釼友輔氏が登壇した。「Veeam 本格始動!大きく変わるBC/DRとバックアップ!~今大注目の次世代データ保護とは?~」をテーマに講演した。「Veeamは急激かつ確実に実績を伸ばしている、仮想環境のデータ保護という特定市場指向型の注目製品だ」と評価。「災害大国である日本において、バックアップ製品は単にバックアップが取れるだけでなく、BC/DRをきちんと実現できることが最も重要」としたうえで、「Veeam製品ならそれができ、今後日本で求められていくだろう」と強調し、同社の中心製品である「Veeam Backup&Replication(VBR)」の特徴や活用例を紹介した。
また、SI技術本部ストレージソリューション2課の臼井守係長がHyperFlexとVeeam製品を組み合わせたおすすめのバックアップソリューションを検証結果を交えて解説。「HyperFlexにVeeam製品を組み合わせることで仮想マシンを高速にバックアップ・リストアできるほか、仮想マシン単位だけでなく、ファイルやアプリケーション単位でもリストアが可能だ。また、セルフサービスリストア機能を用いてユーザー自身によるリストアを可能にすることで、管理者の負荷を軽減させることもできる」と太鼓判を押した。
最後に、橋本主任がセミナーのまとめとともに、今後のHyperFlexの販促活動などについてアナウンスして、セミナーは終了した。