「Track B」の第4セッションは、「情報システムのターゲットが変わった!! ~今起きている変化と見えてきたITベンダーの課題とは~」と題してサイボウズの伊佐政隆・kintoneプロダクトマネージャーと、ソニックガーデンの倉貫義人・代表取締役CEOを招き、IT投資の主体がIT部門から業務部門へとシフトする市場環境において、ITベンダーはどう対応すべきかを議論した。モデレーターは本紙編集委員の谷畑良胤が務めた。

(左から)サイボウズ 伊佐政隆 kintoneプロダクトマネージャー、
ソニックガーデン 倉貫義人 代表取締役CEO、週刊BCN 谷畑良胤
伊佐マネージャーによると、kintoneユーザーの8割は業務部門で、同社の“導入相談Cafe”には「営業案件管理を効率化したい」と業務で使用中のExcelシートを持ち込むユーザーもいるという。「kintoneで多くの顧客を獲得しているパートナーは、『ここに頼んだら何を提供してもらえるのか』をお客さんと共通の言葉で語れる工夫をしている」(伊佐マネージャー)といい、非IT部門に対して自社の価値を端的に伝えられるかがカギとなりそうだ。新規事業向けのシステム開発に特化する倉貫CEOは「どれだけ成長するかわからない新規事業ではそもそも要件定義が困難。要件定義ができないとものがつくれないベンダーとは仕事ができない」と指摘。機能と納期を固めてから開発し、納品して終わりといった旧来のスタイルではなく、「相談に乗りながら開発してくれる相手」が求められていると分析した。